日本人の「無常観」は仏教の影響ではないかと曹洞宗の僧侶でドイツ人のネルケ無方氏は言います。ネルケ氏の著書「日本人に『宗教』は要らない」からご紹介します。
しかたがない
日本人は、震災など何か悪いことがあっても、「しかたがない」と受け止めている。形あるものがなくなってしまうのが当然だと受け止めている。ここには仏教の影響があると思う。
湿気のせい
日本は他国と比べて非常に湿気が高く、それが日本人の宗教観にも影響を与えている。梅雨の時期、日本では押入れをずっと閉めっぱなしにすると、すぐカビが生えてしまう。建物や衣類、布団など、常に手入れをしていないと駄目になってしまう。日本人が掃除をとても大事にし、自分の身を清めることを大事にするのは、湿気が多いからかもしれない。
心の押入れ
同じ理由から、日本人は家の中の風通しを良くする。日本人の寛容さも、ひょっとすると、「心の押入れ」を開けっ放しにしていることからきているのかもしれない。そこにジメジメした空気が溜まっていたのでは、心が腐ってしまうからだ。
移り変わり
日本人の無常観は、モノ作りにも関係しているかもしれない。例えば、自動車。ドイツのベンツは、何十年と長く乗ってもらうことを前提でつくっている。しかし、日本車は乗り換えを見越している。日本の住宅も一代もしくは、二代までで建て替えてしまう。移り変わりに価値を見出す日本人の精神的な特徴が見受けられる。伊勢神宮が20年ごとに遷宮をすることにも通じる。
ああ無常
ドイツの場合、家を建てると基本的には孫の代まで使う。ドイツ語で「レーダーホーゼ」という伝統的な革のズボンがあるが、代々親から子へ、祖父、曾祖父の代から受け継がれるものだ。日本では、革製品自体があまり長持ちしない。私の妻の革のブーツは、購入後一年経たずに玄関でカビていた。私は子供のころから愛用していた羽根のクッションをわざわざドイツから持ってきたが、来日最初の梅雨で腐ってしまった!風通しの修行が足りない。そうして私も「無常」を感じたものだー。(本からの要約引用はここまで。)
神様を中心にして現実を受け入れる
結局、日本人の「無常観」は仏教の影響なのか、それとも湿気によるものなのか。逆に日本人の「無常観」が仏教に影響を与えたのではないかと、私は読みながら、いろいろなことを考えました。確かに日本人の精神性には気候も関係しているし、仏教の影響もあるでしょう。しかし、その土台は、全てを支配している神様を中心にして、現実を受け入れ、問題を乗り越えることによって形成されて来たのではないかと私は思います。
聖書を読みましょう
それでは今日も聖書の続きを読みましょう。聖書は宗教の戒律が記された教典ではなく、神様を中心にして生きようとしたユダヤ人の歴史の記録であり、私たち日本人の精神性の土台でもあると思います。キリスト教の教典としてではなく、日本人の心に触れるために聖書を読んでみてください。
新約聖書 マタイの福音書22章41~46節
パリサイ人たちが集まっているときに、イエスは彼らに尋ねて言われた。「あなたがたは、キリストについて、どう思いますか。彼はだれの子ですか。」彼らはイエスに言った。「ダビデの子です。」
イエスは彼らに言われた。「それでは、どうしてダビデは、御霊によって、彼を主と呼び、
『主は私の主に言われた。
「わたしがあなたの敵を
あなたの足の下に従わせるまでは、
わたしの右の座に着いていなさい。」』
と言っているのですか。ダビデがキリストを主と呼んでいるのなら、どうして彼はダビデの子なのでしょうか。」
それで、だれもイエスに一言も答えることができなかった。また、その日以来、もはやだれも、イエスにあえて質問をする者はなかった。
「キリストについて、どう思いますか」
パリサイ人とは律法の専門家、旧約聖書の専門家です。「キリスト」とは、旧約聖書預言の中心であり、神様から特別な権威を与えられた者という意味です。キリストは「ダビデの子」と呼ばれる。それは、ダビデの子孫から生まれるという意味ですが、それが正しい聖書解釈と言われていたのだと思います。
なぜダビデの子なのか
「それでは、どうしてダビデはキリストを主と呼んだのか。なぜダビデの子なのか。」とイエスはパリサイ人たちに問いかけましたが、その意図は何だったのでしょうか。彼らは聖書の専門家であり、何が正しい聖書の解釈なのかということを人々に教えていた人たちです。その彼らに答えることができない質問をイエスはしたのではないでしょうか。
神様を中心にして生活すること
聖書を研究することもある程度は大切なことだと思います。しかし、もっと大切なことは神様の思いや願いを中心にした生活をすることだと思います。それは決して難解なことではなく、誰でもその良心で判断することができることだと思います。イエスはそのことを教えようとしたのではないでしょうか。
いかがでしたか
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今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。