【日本人と日本文化】「ダメもと」という免疫を持つ日本人

「わたしには、『うまくいかない』ことを前提にして動くなど、考えられなかった」とハワイ出身のアメリカ人であるルース・ジャーマン・白石さんは言います。「ダメもと」も日本人の優れた点とはなかなか日本人である私には気が付きませんでした。彼女の著書「日本人が世界に誇れる33のこと」から紹介します。

「ダメもと」

英語で直訳すると“Assuming failure”という表現になります。わたしは長くこの言葉を、後ろ向きでネガティブな姿勢だと勘違いしていました。アメリカ式だと、「大成功する」という前提ですべての物事に取り組みます。仮に「ダメもと」で動いたりすると、「ネガティブシンキング!NO!」と叱られてしまいます。自分を信じ、可能性を信じる、サクセスを信じるのがアメリカ人です。

積極思考の問題点

しかし、一歩間違えるとこの気持ちが過剰になりがちで、イメージどおりにいかないと、必要以上の絶望感に襲われてしまいます。理想的なイメージと現実との乖離が、アメリカ人の高い離婚率や離職率の背景の一つかもしれません。

現実的なアプローチ

一方、日本的な考え方は、極端かもしれませんが、時には「ダメもと」で就職志望を出してみたり、「ダメもと」に起案してみたりする人がたくさんいて、現実的な状況を踏まえたアプローチをします。

「絶望」に対する免疫?

「そんなにうまくいくはずがない」「そうさ、ダメでもともとなんだ」「だったらやってみようじゃないか」そんなふうに考える日本人は、「絶望」に対しての免疫ができていると思います。

日本人の行動の原動力

このチャレンジ精神たっぷりなレアな精神力は、グローバルステージでもきっと強味を発揮します。「ダメもと」スピリットは、日本人の行動の大きな原動力になってくるでしょう。(本からの引用は以上です。)

とりあえず一歩を踏み出す

「チャレンジ精神」と言われると、少しくすぐったい感じもします。日本人としては、そこまで気負わずに、まああまり期待しないで、とりあえず一歩踏み出してみよう。そんな感じではないでしょうか。

「ダメもと」で行こう!

私はアメリカ的なポジティブシンキング(肯定的思考)より、日本的な「ダメもと」の方が良いという二者択一ではなく、どちらにも良い面があり、どちらにも欠点があるようにも思います。でも、ルースさんのご指摘で、肯定的思考がすべてじゃない、あらためて日本的な「ダメもと」思考にも積極的な意味があることを再発見できたように思います。大いに「ダメもと」で行こうではありませんか。

聖書を読みましょう

確かに考えてばかりではなく、一歩を踏み出すことは大切だと思います。結果は神様に任せて、日本人は「ダメもと」で気負わずに一歩を踏み出して来たのだと思います。これもまた神様を中心にするという聖書の影響だと私は思います。聖書は宗教の戒律が記された教典ではなく、イスラエル人の記録であり、日本人の考え方の原点にあるものだと思います。キリスト教とは切り離して、日本人として聖書を読んでみてください。

新約聖書 マルコによる福音書 11章27~33節

彼らはまたエルサレムにきた。そして、イエスが宮の内を歩いておられると、祭司長、律法学者、長老たちが、みもとにきて言った、「何の権威によってこれらの事をするのですか。だれが、そうする権威を授けたのですか」。

そこで、イエスは彼らに言われた、「一つだけ尋ねよう。それに答えてほしい。そうしたら、何の権威によって、わたしがこれらの事をするのか、あなたがたに言おう。ヨハネのバプテスマは天からであったか、人からであったか、答えなさい」。

すると、彼らは互に論じて言った、「もし天からだと言えば、では、なぜ彼を信じなかったのか、とイエスは言うだろう。しかし、人からだと言えば・・・」。彼らは群衆を恐れていた。人々が皆、ヨハネを預言者だとほんとうに思っていたからである。

それで彼らは「わたしたちにはわかりません」と答えた。するとイエスは言われた、「わたしも何の権威によってこれらの事をするのか、あなたがたに言うまい」。

神様の権威

祭司長、律法学者、長老たちは純粋な気持ちで尋ねた訳ではないでしょう。誰の許可を得て、神殿で商売する人々を追い出したりするのか。我々ユダヤ教の権威者は許可した覚えはない。そういうことではないでしょうか。しかし、イエスは「権威」について、人間の間にある権威だけではなく、神様の権威というものがあることを示され、彼らに問われたのだと思います。

それぞれが良心で判断する

それはそれぞれがその良心で判断することができることだと思います。群衆が何と言っているかということではありません。あなたはどう思うのかということだと思います。神様の権威というものを認めない、受け入れないのであれば、イエスが神様の権威でやっていると言ったところで、彼らがそれを受け入れることはないでしょう。

あなたは受け入れますか

人間の権威が全てでしょうか。神様の権威というものがあるでしょうか。時代を超え、民族を超え、永遠まで続く神様の権威というものがあるでしょうか。神様は私たちがそのことを判断することができるように、それぞれに良心を与えてくださっていると私は思います。あなたは何を中心にしますか。

いかがでしたか

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本書の目次

一章 世界から称賛される日本人の国民性
二章 日本人の宗教観
三章 古代日本にやって来たユダヤ系渡来人の影響
四章 日本人の信仰
五章 「人生の目的」
六章 「人間関係」
七章 「子供の教育」
八章 「恋愛・結婚」

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