「わたしの日本滞在は本当に長いのです。」と語るのは、日本滞在52年のフランス人カトリック司祭ジャック・ベジノさん。加藤恭子編「私は日本のここが好き!外国人54人が語る」からご紹介いたします。
サンプリシテ
「サンプリシテ」が日本人の特性を最もよく表現する言葉です。〝純朴さ〟〝飾りはきらい〟〝もののあわれ〟・・・どう訳したらよいのかわかりません。あまりにも多くのことを、私はその単語に盛ってしまうからです。例えば俳句。五七五の短く制限された形の中で、深くて強い感情を表現する。
自分の領域で最善を尽くす
謙虚さ、他人への配慮、分を知るなどの美徳の中でも私を特に感動させるのは、日本人の働き方です。社長や総務部長でなくても、ずっと簡単な仕事をしている人でも自分の領域で最善を尽くす。こういう人たちの集団に対し、社長といえども独断的な行動は取れない。
仕事の和
グループとの和、調和を見出そうと努力する。これも、私にとっては「サンプリシテ」と映ります。仕事は悪くいえば、〝必要悪〟だけれど、日本では仕事そのもの、すること自体に価値を見出しているのです。
茶の湯
茶の湯も、そう。小さな茶室の中心はたった一杯の抹茶。沈黙の中でそれぞれがすべきことをする。儀礼を尊重し、調和と規律と和の雰囲気。これも〝サンプリシテ〟の粋です。
日本女性
それから、日本の女性。伝統的に女性の社会的地位が理想的だったとは思わないけれど、女性たちが果してきた役割は実に重要です。地位が向上した今でも、女性たちは優しくにこやかです。男性が時として格式ばり冷たく見えるところを、女性の気くばりが救っている。
教師と学生
私は1966年以来、主に上智でフランス語と文学を教えてきました。学生たちは素直で、教師を心から信頼してくれる。時には従順すぎるかなと感じたこともありましたが(笑)。フランスでの教師と学生は、知識の伝達者と学生の関係で、それが終われば終わります。でも上智では卒業生たちともずっと感謝と温かい交流が続いています。(本からの引用は以上です。)
聖書を読みましょう
それでは今日も聖書の続きを読みましょう。聖書は日本人の文化、伝統、慣習、信仰、国民性に深い関係があると思います。外国の宗教の教典としてではなく、日本人として聖書を読んでみてください。
新約聖書 ルカによる福音書 14章12~14節
また、イエスは自分を招いた人に言われた、「午餐または晩餐の席を設ける場合には、友人、兄弟、親族、金持ちの隣り人などは呼ばぬがよい。恐らく彼らもあなたを招きかえし、それであなたは返礼を受けることになるから。
むしろ、宴会を催す場合には、貧乏人、不具者、足なえ、盲人などを招くがよい。そうすれば、彼らは返礼ができないから、あなたはさいわいになるであろう。正しい人の復活の際には、あなたは報いられるであろう」。
見返りを期待した接待
友人、兄弟、親族、また金持ちかどうかに関わらず隣り人を食事に招いて、交流を深めるということはあると思うし、それもまた楽しく、良いことだと思う。ここでイエス・キリストが言っていることは、そういうことを否定しているのではないであろう。見返りを期待した接待ということかもしれない。それは人間中心であって、神中心ではない。
神中心
少なくとも、人を招いて食事をするにしても、人間的な思惑、人間中心で催すのか、それとも神を意識し、神に喜ばれることをしようとしているかということは重要なことであり、イエス・キリストは何が神に喜ばれることなのかを考えよと教えたのではないだろうか。人間的に全く見返りを期待できないとすれば、純粋に神の喜びのためにしていることは明らかだ。神を中心にすること。それが本当に幸いな生き方だと思う。
正しい人の復活
それから、このイエス・キリストの言葉には「正しい人の復活」とあり、人は死んで終わりではなく、復活があるということが示唆されているように思う。
いかがでしたか
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本書の目次
一章 世界から称賛される日本人の国民性
二章 日本人の宗教観
三章 古代日本にやって来たユダヤ系渡来人の影響
四章 日本人の信仰
五章 「人生の目的」
六章 「人間関係」
七章 「子供の教育」
八章 「恋愛・結婚」
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