「日本に恋していた時期を過ぎて、今は愛しています。」と語るのは、日本滞在25年のスペイン人、ヘルマン・ミゲル・バルガスさん。加藤恭子編「続・私は日本のここが好き!外国人43人が深く語る」からご紹介いたします。
予想どおりの経済大国
25年前、上智大学留学のために日本にきました。着いたときの印象ですか?想像していた通りでしたね。ぼくは日本のアニメ文化には興味はありませんでしたから、街中をロボットや忍者が歩き回っているなんて考えてなかった。だから高層ビル群を目にしたときも予想どおりの経済大国だと確信しましたよ。
その予想はみごとに裏切られました
ところがです。千葉県の松戸の外れに住むことになって、その予想はみごとに裏切られました。畳にコタツ、そして銭湯。それらは日本文化そのもの。道で近所のおじさんに会えば、「ヘルマン元気か?」と声をかけてくれる。
心温かな感じかな
あるとき、部屋で「ニューズウィーク」を読んでいると、道路から知らないおばさんの声が聞こえてきました。「ヘルマンいるか?」するとこれもまた知らないおばさんの声が「さっき帰ったみたいだよ。部屋にいるんじゃないかね」と返事している。これには驚きましたね。だってぼくが知らない人たちが、ぼくの噂をしているんですから。まるで監視されているみたいで、ちょっと怖い感じでしょ。結局これは新聞屋さんが集金に来ただけだったけど・・・。でも不愉快ではなかった。なんか、みんなに見守らているような・・・心温かな感じかな。
嬉しい誤算でしたね
日本では一般家庭ももっとアメリカナイズされていて、個人主義に徹していると思っていたので、嬉しい誤算でしたね。おかげで今も銭湯は大好き。特に真昼間、湯煙がもうもうとたっている中で、近所のおじさんとおしゃべりしながら髭をそるのが好きです。
日本人はとても敏感です。繊細です。
ぼくにとって人生で一番大切なことは、お金でもない、車でもない。いい人間関係が保てることが一番大切なのです。いい友だち、いい仕事仲間がいるところが、一番生きやすい。つまりこころ穏やかに生きられることなのです。日本人はとても敏感です。繊細です。そしてぼくも同じ、敏感で繊細なのです。だから生きやすいのでしょうね。
こころ穏やかに暮らせる
妻は日本人ですが、彼女は非常に頭がいい。話していて楽しい。そして、相手がいやなことはしない。言わない。ぼくがこころ穏やかに暮らしていられるのは彼女のおかげです。そしてまたぼくも、彼女がこころ穏やかに暮らせるように、こころがけています。
十年、二十年いないと
でもこういう感覚は、半年や一年日本にいても分からないと思いますね。十年、二十年いないと理解できないかもしれない。今やぼくにとって、日本は第二の故郷です。(本からの引用は以上です。)
聖書を読みましょう
それでは今日も聖書の続きを読みましょう。聖書は日本人の国民性のルーツです。キリスト教の教典としてではなく、日本人として聖書を読んでみてください。
新約聖書 ルカによる福音書 22章47~53節
イエスがまだそう言っておられるうちに、そこに群衆が現れ、十二弟子のひとりでユダという者が先頭に立って、イエスに接吻しようとして近づいてきた。そこでイエスは言われた、「ユダ、あなたは接吻をもって人の子を裏切るのか」。
イエスのそばにいた人たちは、事のなりゆきを見て、「主よ、つるぎで切りつけてやりましょうか」と言って、そのうちのひとりが、祭司長の僕に切りつけ、その右の耳を切り落した。イエスはこれに対して言われた、「それだけでやめなさい」。そして、その僕の耳に手を触れて、おいやしになった。
それから、自分にむかって来る祭司長、宮守がしら、長老たちに対して言われた、「あなたがたは、強盗にむかうように剣や棒を持って出てきたのか。毎日あなたがたと一緒に宮にいた時には、わたしに手をかけなかった。だが、今はあなたがたの時、また、やみの支配の時である」。
ユダに案内されて来た群衆
過越の食事を終え、イエスは弟子たちとオリブ山に行かれました。谷をはさんで、向こう側にエルサレム神殿が見えます。時はすでに夜でした。イエスは苦しみ、もだえて祈りました。そこへユダに案内されて、群衆が手に剣や棒を持ってやって来ました。
接吻をもって裏切るのか
イエスはユダにもう一度声をかけました。思い留まるように。悪だと分かっていることを止めるように。神に立ち帰って、神を中心にして生きるように。それはユダがしなければならない決断でした。ユダの心はどのような心だったのでしょうか。思い悩んでいたのでしょうか。そうこうするうちに、事態はどんどん進展してしまいます。
やみの支配のとき
イエスは祭司長、宮守がしら、長老たちに言いました。何が正しいことなのか。昼の光の中で判断しないで、闇に紛れて、悪を行うのか。彼らもまた何が神の前に正しいことなのか、その良心では分かっていたのではないでしょうか。やみの支配に従うのでしょうか。それとも光の下で正しく生きるのでしょうか。それぞれが神の前にその決断を求められているのではないでしょうか。
いかがでしたか
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本書の目次
一章 世界から称賛される日本人の国民性
二章 日本人の宗教観
三章 古代日本にやって来たユダヤ系渡来人の影響
四章 日本人の信仰
五章 「人生の目的」
六章 「人間関係」
七章 「子供の教育」
八章 「恋愛・結婚」
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