【日本近現代史】明治維新と英仏謀略戦―坂本竜馬スパイ説

今日は林房雄著「大東亜戦争肯定論」の第三章「明治維新と英仏謀略戦」-坂本竜馬スパイ説から一部を抜粋してご紹介いたします。日本の歴史を正しく知なることが、これからの歩みを考える上で大変重要だと思います。

維新に加えられた「国際的圧力」

たしかに「欧米列強」の圧力は強かった。それを考慮の外においては、明治維新という「複雑な変革」は理解できない。いや、維新だけではない。それにつづく征韓論、台湾征討、西南戦争、条約改正運動、自由民権運動の大アジア主義への急転回、日清戦争と三国干渉、日英同盟と日露戦争、韓国併合、満州国建国、日支事変と太平洋戦争―即ち、私の言う「東亜百年戦争」の全過程の理解は不可能である。これらはすべて強力な「国際的圧力」の中で起った一連の事件であった。「列強」が日本に加えた強圧は明治維新によって解消したのではなかった。日本人の必死の反撃にもかかわらず、この強圧は年とともに増大し、組織化されて、太平洋戦争の直前にその頂点に達したのだ。

坂本竜馬スパイ説

・・・『朝日新聞』(38年9月1日付)に作家榊山潤氏がおもしろい歴史随筆を発表しているのが目にとまった。「明治維新の変革は、英国の対日謀略だという説がある。もちろん戦後の新説だが、それによると、その中心人物は長崎にいた大砲商人グラバーであった。英国公使パークスがその後ろだてであったのはいうまでもない。グラバーは薩摩の有力者小松帯刀を抱き込み、その手を通じて土佐の坂本龍馬を抱きこんだ。以来、竜馬は日本側の工作要員として、目ざましい活躍をした。・・・この戦さに、負けるはずのなかった幕府軍が敗れたのは、薩長方に英国の巧妙な協力があったからである」。

左翼の維新研究

・・・まさに「大珍説」である。・・・ただ、私がここでこの「珍説」を取上げた理由は二つある。・・・一つは、この「珍説」は明らかに左翼の維新研究の畸形の落とし子だということだ。・・・彼らは「共産革命」という政治目的のために、日本人の歴史に泥をぬることが「学問の使命」だと思いこんでいるのだ。坂本龍馬スパイ説、岩倉、西郷、大久保、木戸ヒモツキ説もここから生まれた。

必死の抵抗

その二は「グラバー機関」の存在如何にかかわらず、この「珍説」を生み出すほど十分に深く、パークスは薩長の内部に、ロッシュは幕府の内部に食い入っていたということだ。「パークス路線」に乗っても「ロッシュ路線」に乗っても、日本は植民地化される。「薩長人」も「幕人」もこの日本の危機を本能的に、したがって正確に見抜いていた。西郷も勝もそれを見抜き、徳川慶喜も山内容堂も見抜いていた。彼らはそれぞれの立場から、英仏の謀略に抵抗したのだ。

日本を守る

ロッシュの謀略の路線は江戸城の奥深く食い入っていたが、慶喜は最後に自らの判断でこれを拒絶したという点が重要である。小栗上野介を先頭とする主戦論者はフランスの援助を当てにしていた。だが、彼らといえども、軍事的主導権を外国に渡すつもりはなかった。彼らも「幕人」である前に日本人であった。薩長人におとらぬ愛国者であった。「錦旗と幼冲の天子をさしはさむ公卿と薩長の陰謀」とは戦っても、日本を分裂させて、トルコ、エジプト、インド、清国の二の舞を演ずることは心からおそれていた。(本からの抜粋引用は以上です。)

聖書を読みましょう

このような日本人の国民性は古代日本にあったイスラエル系、ユダヤ系渡来人によってもたらされた聖書の信仰に遡ることができます。キリスト教の教典としてではなく、日本人として聖書を開く時、そこに古くて新しい発見があることでしょう。

新約聖書 使徒行伝 17章22~34節

そこでパウロは、アレオパゴスの評議所のまん中に立って言った。「アテネの人たちよ、あなたがたは、あらゆる点において、すこぶる宗教心に富んでおられると、わたしは見ている。

実は、わたしが道を通りながら、あなたがたの拝むいろいろなものを、よく見ているうちに、『知られない神に』と刻まれた祭壇もあるのに気がついた。そこで、あなたがたが知らずに拝んでいるものを、いま知らせよう。

この世界と、その中にある万物とを造った神は、天地の主であるのだから、手で造った宮などにはお住みにならない。また、何か不足でもしておるかのように、人の手によって仕えられる必要もない。

神は、すべての人々に命と息と万物を与え、また、ひとりの人から、あらゆる民族を造り出して、地の全面に住まわせ、それぞれに時代を区分し、国土の境界を定めて下さったのである。

こうして、人々が熱心に追い求めて捜しさえすれば、神を見いだせるようにして下さった。事実、神はわれわれひとりびとりから遠く離れておいでになるのではない。われわれは神のうちに生き、存在しているからである。

あなたがたのある詩人たちも言ったように、『われわれも、確かにその子孫である』。

このように、われわれは神の子孫なのであるから、神たる者を、人間の技巧や空想で金や銀や石などに彫り付けたものと同じと、見なすべきではない。神は、このような無知の時代を、これまでは見過ごしにされていたが、今はどこにおる人でも、みな悔い改めなければならないことを命じておられる。

神は、義をもってこの世界をさばくためその日を定め、お選びになったかたによってそれをなし遂げようとされている。すなわち、このかたを死人の中からよみがえらせ、その確証をすべての人に示されたのである」。

死人のよみがえりのことを聞くと、ある者たちはあざ笑い、またある者たちは、「この事については、いずれまた聞くことにする」と言った。こうして、パウロは彼らの中から出て行った。しかし、彼にしたがって信じた者も、幾人かあった。その中には、アレオパゴスの裁判人デオヌシオとダマリスという女、また、その他の人々もいた。

神を中心とした世界

確かにアテネの人々は様々な像を造って、その像を拝んでいました。神はそのような像ではなく、目には見えない霊的な存在であると日本人もユダヤ人も知っています。しかし、パウロはそれを否定せず、宗教心に富んでいると表現しました。ただ、神は人間が造った像ではなく、この天地万物を造った方であるとパウロはアテネの人々に語りました。それは何か特定の宗教のことではありません。すべての宗教を超越した、この世界の創造主である神、それが神であると教えました。それは日本人にとって当然のことのように思います。アテネの人々は初めて聞いた話だったのかもしれませんが、日本人が太古の昔から崇めてきた神に他なりません。大切なことは自己中心、人間中心を退け、神に立ち帰り、神を中心とした生き方をすることです。それが人間本来の生き方だと思います。

いかがでしたか

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目次
一章 世界から称賛される日本人の国民性
二章 日本人の宗教観
三章 古代日本にやって来たユダヤ系渡来人の影響
四章 日本人の信仰
五章 「人生の目的」
六章 「人間関係」
七章 「子供の教育」
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目次
第一章 学園の日常
第二章 イエスの教え
第三章 神と共に生きる
第四章 私が得たもの
第五章 古代ユダヤ人によって日本にもたらされた信仰
第六章 日本人の幸せ
第七章 日本の危機
第八章 求められているもの
第九章 信じるということ
第十章 宗教ではない
第十一章 日本人の宗教観
第十二章 現実逃避なのか
第十三章 神と共に生きる

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