【日本の教育】「文部省の研究」を読んで

辻田真佐憲著「文部省の研究」(文芸春秋)という本をスマホのニュースフィードで見て、「教育勅語」に批判的な立場の方なのかなと思い、そういう方の著書も読んでみようと思って、読んでみました。

「理想の日本人像」を求めて

副題に「『理想の日本人像』を求めた百五十年」とあり、明治維新から現代にいたるまで、時代の流れの中で、日本の教育行政がどのような変遷をたどってきたのかを、グローバリズムとナショナリズムの間を行き来する歩みとして記述しています。

二者択一ではない

読んでみると、著者は決して「教育勅語」に反対という立場ではなく、確かに保守的な価値観の中にも日本人として評価すべき倫理観があり、世界の価値観を基準とする普遍主義にも評価すべき価値観がある。それは二者択一ということではないという考えであることがわかりました。

良かったこと

これまで私が「日本人の信仰と聖書について考える会」でお伝えしていることは、どちらかといえば保守的な価値観の方々と親和性が高いのではないかと私自身は思っていましたが、確かにそれは保守か革新かという二者択一ではないでしょう。自分の中でそのことがはっきりとしたことは良かったことだと思います。

日本と世界

そういう意味でも、日本人が太古の昔から大切にしてきた倫理観は、これからも大切にしていかなければならないと思いますし、それは単に日本だけの問題ではなく、世界の平和のためにも重要なことであって、その点において日本と世界は一つにつながっていることを思います。

神中心の倫理観

ナショナリズムといえば語弊があると思いますが、それは日本人が太古の昔から大切にしてきた神を中心にして生きるという倫理観であり、日本人がそこにしっかりと立つことが世界の平和につながっているのだと思います。それは決して日本人が世界で最も優れた民族だと優越感にひたることではなく、むしろ小さく、弱い民族であったからこそ、神がこれに目を留め、恵みを注いでくださったと、神の前に遜ることに他なりません。

日本人の使命

それは古代日本にやって来たイスラエル民族によって伝えられた信仰であり、聖書の信仰です。この神の前に日本人が遜って生きることこそが日本人に与えられた使命であり、全世界の救いだと思います。私の著書「日本人の信仰が世界を救う」ではそのことについて書きました。ぜひ、お読みください。

本の表紙

聖書を読みましょう

それでは今日も聖書の続きを読みましょう。聖書は日本人のルーツです。キリスト教の教典としてではなく、日本人として聖書を開くとき、そこに古くて新しい発見があることでしょう。

新約聖書 ヨハネによる福音書 3章22~30節

こののち、イエスは弟子たちとユダヤの地に行き、彼らと一緒にそこに滞在して、バプテスマを授けておられた。ヨハネもサリムに近いアイノンで、バプテスマを授けていた。そこには水がたくさんあったからである。人々がぞくぞくとやってきてバプテスマを受けていた。

そのとき、ヨハネはまだ獄に入れられてはいなかった。ところが、ヨハネの弟子たちとひとりのユダヤ人との間に、きよめのことで争論が起った。そこで彼らはヨハネのところにきて言った、「先生、ごらん下さい。ヨルダンの向こうであなたと一緒にいたことがあり、そして、あなたがあかしをしておられたあのかたが、バプテスマを授けており、皆の者が、そのかたのところへ出かけています」。

ヨハネは答えて言った、「人は天から与えられなければ、何ものも受けることはできない。『わたしはキリストではなく、そのかたよりも先につかわされた者である』と言ったことをあかししてくれるのは、あなたがた自身である。花嫁をもつ者は花婿である。花婿の友人は立って彼の声を聞き、その声を聞いて大いに喜ぶ。こうして、この喜びはわたしに満ち足りている。彼は必ず栄え、わたしは衰える。

バプテスマのヨハネ

このヨハネとは、イエスの弟子のヨハネではなく、イエスにバプテスマを授けたヨハネです。バプテスマとは、水の中に全身を浸す宗教的な儀礼であり、罪のきよめを示しています。ヨハネの弟子たちとひとりのユダヤ人との間に、きよめのことで争論が起ったとあります。争論の内容は記されていないので、彼らの言葉から想像するしかありませんが、ヨハネがイエスにバプテスマを授けたのに、人々はヨハネのところに集まるのではなく、イエスの方に集まっているのはどういうことなのか。おかしいではないかというような争論ではなかったのでしょうか。

天に従う

ヨハネの弟子たちはそれを面白く思っていなかったのかもしれません。しかし、ヨハネ自身はそれを喜ぶと言っています。ヨハネの喜びはどこにあるのでしょうか。それは自分が多くの人々から慕われることではなく、神の御心が行われることを喜ぶということでしょう。それが神を中心にするということに他なりません。私たち日本人もまた、単に日本人が世界で崇められることではなく、神様の計画がなされることを喜びとする。それが本当の日本人の喜びではないでしょうか。

いかがでしたか

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目次
第一章 学園の日常
第二章 イエスの教え
第三章 神と共に生きる
第四章 私が得たもの
第五章 古代ユダヤ人によって日本にもたらされた信仰
第六章 日本人の幸せ
第七章 日本の危機
第八章 求められているもの
第九章 信じるということ
第十章 宗教ではない
第十一章 日本人の宗教観
第十二章 現実逃避なのか
第十三章 神と共に生きる

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