「しつけ」とは何でしょうか
「躾」という漢字から受ける印象は、美しい身のこなしでしょうか。子供に礼儀作法を身に付けさせることは重要なことだと思います。子供の教育を考え、親自身がもう一度、正しい言葉遣いや礼儀作法を確認してみてはいかがでしょうか。特に日本文化においては対人関係における目上目下を大切にします。敬語の使い方や目上の人に対する態度などを子供に教えることは親にとっても勉強になるのではないでしょうか。
あれもダメ!これもダメ!
しかし、「しつけ」とは、決してあれもダメ!これもダメ!と言って、子供を委縮させて、型にはめて、おとなしくさせることではないと私は思います。子供が親を尊敬し、その言うことに従順に従うように教育することは大切なことだと思いますが、それは親が怖いからとか、うるさいからという理由ではなく、子供自身がそれは正しいことだと理解して、自ら従うように教育することが大切だと思います。
善悪を自ら判断できるように教育する
そのためには、子供の良心に働きかけ、自分で善悪を判断できるように教育することが大切だと思います。それは子供が自己中心ではなく、神様を中心にして生きることができるようになることです。そのためには、子供に悪い言動があった時に、決してそのままにせず、それは正しいことだと思うか、神様はそれを喜ばれるのか、子供自身に考えさせると良いと思います。
繰り返し教えて身に付けさせる
これらのことは一度で身に付くことではないと思います。繰り返し繰り返し、その都度その都度、面倒くさがらずに子供に関わって身に付けさせること。それが子供への愛ではないかと思いますが、いかがでしょうか。それは決して楽なことではないかもしれませんが、その成果は必ず見ることができると思います。
人は蒔いたものを刈り取る
「人は蒔いたものを刈り取る」とイエスは教えたことが聖書に書かれています。手塩にかけてまいた種は必ずその実を刈り取ることができると思います。でも、蒔かなければ刈り取ることはないでしょう。悪い種を蒔いてしまったら、悪い実を刈り取ることにもなりかねません。完全な親は一人もいませんが、子供の将来のために、また親自身のためにも、精一杯正しい種を蒔きましょう。祝福をお祈りしています。
それでは今日も聖書の続きを読みましょう。
新約聖書 使徒の働き 16章35~40節
夜が明けると、長官たちは警吏たちを送って、「あの人たちを釈放せよ」と言わせた。そこで看守は、この命令をパウロに伝えて、「長官たちが、あなたがたを釈放するようにと、使いをよこしました。どうぞ、ここを出て、ご無事に行ってください」と言った。
ところが、パウロは、警吏たちにこう言った。「彼らは、ローマ人である私たちを、取り調べもせずに公衆の前でむち打ち、牢に入れてしまいました。それなのに今になって、ひそかに私たちを送り出そうとするのですか。とんでもない。彼ら自身で出向いて来て、私たちを連れ出すべきです。」
警吏たちは、このことばを長官たちに報告した。すると長官たちは、ふたりがローマ人であると聞いて恐れ、自分で出向いて来て、わびを言い、ふたりを外に出して、町から立ち去ってくれるように頼んだ。
牢を出たふたりは、ルデヤの家に行った。そして兄弟たちに会い、彼らを励ましてから出て行った。
神様の前に生きる強さ
パウロの態度を見ていると、神様の前に正しく生きる人の強さを思わされます。彼は人を恐れていないように感じます。神様が中心であれば、人の顔色を窺う必要がないように思います。主張すべきことは毅然とした態度で主張しています。その態度と正しい主張にローマ人の長官も警吏も恐れを感じたのではないでしょうか。
人々を励ます人生
「牢を出たふたりは、ルデヤの家に行った。そして兄弟たちに会い、彼らを励ましてから出て行った。」とあります。兄弟たちがパウロやシラスを励ましたのではなく、パウロとシラスが兄弟たちを励ましました。何を励ましたのでしょうか。「神様を中心にして生きること」を励ましたのではないでしょうか。
本当の強さ
人を恐れないで、人の顔色を窺うのではなく、いつも神様を中心にして、神様の前に正しく生きること。それが強さの秘訣だと思います。それは単なる考え方の問題ではなく、信仰の問題であり、生き方の問題だと思います。「苦しい時の神頼み」でも、神様を全く意識しないよりは良いと思いますが、それだけでは弱いのではないでしょうか。
日々、信仰を育む
常日頃から神様を意識し、いつも神様の思いや願いを中心にして、それこそ人の目ではなく、神様の目を意識して生きる事。そうやって私たちの信仰も生き方も強められていくのではないかと思います。それは一朝一夕にはいかないかもしれませんが、毎日時間を決めて、神様に思いを向けて祈り、聖書を開く。そして、日々の生活の中で神様の目を意識すること。そうやって信仰を育むことが大切ではないかと思います。