【日本人と日本文化】献身の心

「『献身の心』は、多くの日本人の奥ゆかしい美点のひとつ」と語るのは、日本滞在二年半のスリランカ人、チンチカ・グナセカラさん。加藤恭子編「続・私は日本のここが好き!外国人43人が深く語る」からご紹介いたします。

免疫学を猛勉強中

私は2007年の春にスリランカからやって来ました。東京医科歯科大学大学院博士課程在学中の国費留学生で、母国に夫と幼い娘を残して単身来日し、伝染病などに関する免疫学を猛勉強中です。

敬愛する二人の日本人

私は、免疫学の世界で貢献した人物と、理化学機器製造の草分け的人物の二人の日本人を特に敬愛しています。一人は、生物学者であり神経学者でもある、細菌学の父と言われた北里柴三郎(1853~1931)です。もう一人は島津製作所創業者の島津源蔵(1839~94)で、彼のことは最近、京都への旅行の中で知りました。

北里柴三郎

まず北里柴三郎ですが、彼の人柄は研究に真剣に打ち込み、利益と関係なく学術的な成果にのみ関心があった人物だったそうです。他者のために尽くし、自己の利益を求めない姿勢や心の持ちように、私は感動しています。

島津源蔵

もう一人の人物、島津源蔵は、科学技術を通じて、科学立国の理想に燃えて理化学機器製造のなりわいを始めて、今日の日本がこれほどまで発展する原動力となりました。私は特に、彼がお金儲けのためには一切動かなかったところが好きです。彼の目的は理化学器械や医療用X線装置などを作ること、学校で教えることでした。それは、お金や利益にはなりませんでしたが、そんなことは気にしない偉大な人物でした。

他者へ尽くす

日本のことをどんどん調べるうちに、第二次世界大戦で敗戦した日本が、悪戦苦闘しながらどん底から這い上がり、国を発展させたということを知り、改めて深い感銘を受けました。その結果、日本人は現在多くの途上国が発展するのを助ける立場となっているのです。自己のみではなく、他者へ尽くす貴重で繊細な心を日本人は持っていると思います。

親切な日本人

総じて、外国からの留学生である私に対して、日本人は初対面の人でもいつも友好的です。外で誰かを呼び止めて道を聞くなど助けを求めると、ほとんどの日本人の方は親切に優しく教えてくれます。

良く働く日本人

良く働き、仕事に打ち込むという姿が、来る前に抱いていた日本人の印象でしたが、その通りでした。日本の研究員の方たちは、のんびりとしてマイペースなスリランカの人々と比べたらはるかに研究熱心です。日本人独特の、毎日細かなデータを計測するなど、コツコツと日々の研究の積み重ねを怠らない努力には頭が下がります。研究者には重要な資質だと思います。

他者のためにという日本人

困難に怯むことなく立ち向かい努力を重ねた北里と島津の存在は、留学生としてはるばる海を渡り異国の地で頑張る私の、日々の励ましにもなっています。彼らには、自己の利益追求ではなく、他者のために役立つように働くという、大きな志があり、その点に私は特に強い共感を抱くのです。他者へ尽くす、まさに「献身の心」は、多くの日本人の奥ゆかしい美点のひとつであると思います。(本からの引用は以上です。)

聖書を読みましょう

それでは今日も聖書の続きを読みましょう。聖書は日本人の国民性のルーツです。キリスト教の教典としてではなく、日本人として聖書を読んでみてください。

新約聖書 ルカによる福音書 19章11~27節

人々がこれらの言葉を聞いているときに、イエスはなお一つの譬(たとえ)をお話しになった。それはエルサレムに近づいてこられたし、また人々が神の国はたちまち現れると思っていたためである。

それで言われた、「ある身分の高い人が、王位を受けて帰ってくるために遠い所へ旅立つことになった。そこで十人の僕を呼び十ミナを渡して言った、『わたしが帰って来るまで、これで商売をしなさい』。

ところが、本国の住民は彼を憎んでいたので、あとから使者をおくって、『この人が王になるのをわれわれは望んでいない』と言わせた。さて、彼が王位を受けて帰ってきたとき、だれがどんなもうけをしたかを知ろうとして、金を渡しておいた僕たちを呼んでこさせた。

最初の者が進み出て言った、『ご主人様、あなたの一ミナで十ミナをもうけました』。主人は言った、『よい僕よ、うまくやった。あなたは小さい事に忠実であったから、十の町を支配させる』。次の者がきて言った、『ご主人様、あなたの一ミナで五ミナをつくりました』。そこでこの者にも、『では、あなたは五つの町のかしらになれ』と言った。

それから、もうひとりの者がきて言った、『ご主人様、さあ、ここにあなたの一ミナがあります。わたしはそれをふくさに包んで、しまっておきました。あなたはきびしい方で、おあずけにならなかったものを取りたて、おまきにならなかったものを刈る人なので、おそろしかったのです』。

彼は言った、『悪い僕よ、わたしはあなたの言ったその言葉であなたをさばこう。わたしがきびしくて、あずけなかったものを取りたて、まかなかったものを刈る人間だと、知っているのか。では、なぜわたしの金を銀行に入れなかったのか。そうすれば、わたしが帰ってきたとき、その金を利子と一緒に引き出したであろうに』。

そして、そばに立っていた人々に、『その一ミナを彼から取り上げて、十ミナを持っている者に与えなさい』と言った。彼らは言った、『ご主人様、あの人は既に十ミナを持っています』。『あなたがに言うが、おおよそ持っている人には、なお与えられ、持っていない人からは、持っているものまでも取り上げられるであろう。しかしわたしが王になることを好まなかったあの敵どもを、ここにひっぱってきて、わたしの前で打ち殺せ』」。

神の国

ここで言われている「神の国」とは、イエスがエルサレムで王となって、たちどころにローマから独立することを言っているのかもしれません。イエスは、そうではないということを示すために、この譬を語られたのでしょう。

よい僕と悪い僕

忠実に神に仕えることが教えられていることは明らかでしょう。神に忠実に仕える者にはさらに多くのものが与えられ、そうでない者からは取り去られると教えられています。やがて神の国が実現します。言い訳の人生ではなく、忠実に神に仕えつつ、その時を待ちましょう。

いかがでしたか

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2018年6月11日(月)タピ大決定!

「古代史に見る日本人とユダヤ人の不思議な関係」シリーズの第4回目は、「古代ユダヤ人ゆかりの地を巡る旅~伊勢神宮・京都太秦」と題して、昨年12月23日~31日に訪れた伊勢志摩、京都太秦の報告です。道の駅の情報も交えてお話しします。お近くの方はぜひお出でください。お待ちしております。詳しくは固定ページをご覧ください。

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本の表紙Amazonから「日本人の信仰が世界を救う—元キリスト教牧師が語る神の国ニッポン」を出版しています。(Amazonのサイトはこちらです。)日本人の高い国民性は聖書と関係があること、イエス・キリストの教えは「日本人の信仰」の中にこそ引き継がれていることについて書きました。ぜひ、読んでみてください。

本書の目次

一章 世界から称賛される日本人の国民性
二章 日本人の宗教観
三章 古代日本にやって来たユダヤ系渡来人の影響
四章 日本人の信仰
五章 「人生の目的」
六章 「人間関係」
七章 「子供の教育」
八章 「恋愛・結婚」

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