日本とイスラエルに関連する事柄について、アビグドール・シャハン著「古代日本に辿り着いたユダヤ人・失われた十部族の足跡~イスラエルの地から日本まで」からご紹介いたします。
宗教の影響
どのような宗教でも、祭儀、律法、習慣などを義務付けるものであり、それがその宗教の精神や独自性を形作り、信者たちの性格に多大な影響を与える。モーセの宗教とその律法は非常に強い独自性と権威に満ちていたため、十部族がイスラエルの地を追放されてから九十世代が経った後も、その重要な律法の一部がしっかりと保たれるほど、彼らの精神性に強く影響していた。
イスラエルの宗教の痕跡
それで今日でも神道の多神教的祭儀の中にもイスラエルの宗教の本質的な律法精神の痕跡が輝き出ているのを私たちは見つけることができるのである。日本人の多神教的な習慣の中に残されてきたモーセの律法の精神は日本人の精神性、独自性の形成に大きく影響を与えた。それで彼らは大陸の西の端に住む兄弟民族と同様、世界の諸民族の中でも特異な存在であり続けたのである。
清めと穢れ
多くの宗教が善悪の概念を持つのに対し、日本の宗教は清めと穢れという概念を持つ。イスラエルの民が砂漠で与えられた律法を厳格に守ってきたと同様の厳格さで、(日本人は)清めの習慣を実行してきた。また日本人が穢れを受ける理由も、聖書に書かれているものとほぼ同じである。そのうち最も重大なものは、日本人においても、ユダ、ベニヤミン、レビの諸部族(ユダヤ教)においても、死である。例えば日本では、家族の一人が死んだとき、その最後の世話をした近親者は穢れを受けたため、しばらく隔離される習慣があった。
血と流出による穢れ
モーセの律法が流出による穢れを非常に厳しく取り扱っているのと同様、神道でも血と汚れた流出は穢れのもとである。神道で最も重い穢れは、すでに書いたように死体と血である。これはモーセの宗教でも「穢れの中の穢れ」とされる。(本からの引用は以上です。)
聖書を読みましょう
それでは今日も聖書の続きを読みましょう。聖書は日本の歴史のルーツです。キリスト教の教典としてではなく、日本人として聖書を開くとき、そこに古くて新しい発見があることでしょう。
新約聖書 ヨハネによる福音書 8章1~11節
イエスはオリブ山に行かれた。朝早くまた宮にはいられると、人々が皆みもとに集まってきたので、イエスはすわって彼らを教えておられた。すると、律法学者たちやパリサイ人たちが、姦淫をしている時につかまえられた女をひっぱってきて、中に立たせた上、イエスに言った、「先生、この女は姦淫の場でつかまえられました。モーセは律法の中で、こういう女を石で打ち殺せと命じましたが、あなたはどう思いますか」。
彼らがそう言ったのは、イエスをためして、訴える口実を得るためであった。しかし、イエスは身をかがめて、指で地面に何か書いておられた。彼らが問い続けるので、イエスは身を起して彼らに言われた、「あなたがたの中で罪のない者が、まずこの女に石を投げつけるがよい」。そして身をかがめて、地面に物を書きつづけられた。
これを聞くと、彼らは年寄から始めて、ひとりびとり出て行き、ついに、イエスだけになり、女は中にいたまま残された。そこでイエスは身を起して女に言われた、「女よ、みんなはどこにいるか。あなたを罰する者はなかったのか」。
女は言った、「主よ、だれもございません」。イエスは言われた、「わたしもあなたを罰しない。お帰りなさい。今後はもう罪を犯さないように」。〕
オリブ山に行かれた
それは谷をはさみ、エルサレム神殿を正面に眺めることができる丘の上にあります。イエスは何をしに行かれたのか書かれていませんが、きっとまだ誰もいないオリブ山で、ひとり心を静めて祈り、神の声を聞いたのではないでしょうか。こういう時間と場所を確保することは神を中心とした生活をする上で、とても重要なことではないでしょうか。そうでなければ、毎日の喧騒に押し流されてしまうのではないでしょうか。
イエスをためす
確かに姦淫は神の前に正しいことではありません。それは人を不幸にするものであり、厳に戒められなければならないでしょう。しかし、律法学者やパリサイ人たちの意図はそうではありませんでした。戒めは誰もが良い人生を生きるために与えられた神のガイドラインとも言うべきものだと思います。誰も神に代わって人の罪を断罪できる者はないでしょう。イエスは彼らにそのことを教えたのではないでしょうか。
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目次
第一章 学園の日常
第二章 イエスの教え
第三章 神と共に生きる
第四章 私が得たもの
第五章 古代ユダヤ人によって日本にもたらされた信仰
第六章 日本人の幸せ
第七章 日本の危機
第八章 求められているもの
第九章 信じるということ
第十章 宗教ではない
第十一章 日本人の宗教観
第十二章 現実逃避なのか
第十三章 神と共に生きる
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