瑞慶山道弘著「命どぅ宝」(球陽出版)から共感した内容をご紹介していますが、前回の「根強い白人至上主義」の続きをご紹介いたします。
西洋文化の押しつけ
ただし近年、現地の人々を尊重する宣教師たちの中から、これまでの宣教のスタイルの過ちを認め、新しい宣教の在り方が主張されてきている。「贖いの賜物」を説いているジョン・ドーソン博士(YWAM会長)によれば、「今まで西洋の宣教師は、世界へ出て行って、宣教先の文化を否定し、破壊して、キリストを伝えてきたが、それは実は西洋の文化を押しつけてきたに過ぎなかった。たいへん申し訳ないことをした。」と語っている。
贖いの賜物
さらに彼は「今、宣教師に必要なのは、宣教先の国の伝統文化を否定することではなく、神はそれぞれの国の伝統の中に、その国の人々が救われ、贖われるための『贖いの賜物』をちゃんと備えて下さっているという考えです。文化の中にあるそうした『贖いの賜物』を掘り起こし、神を語ることが大切です。」と主張している。
日本文化の尊重
このような宣教師が起こされ、宣教先の文化が尊重されることは、本当に素晴らしい。今後も、隣人愛をもって、現地の人々と共に生きる宣教師たちが、次々と起こされることを心から願うものである。(本からの引用は以上です。)
本当のイエス・キリストの教え
「宣教師」と言われると、どうしてもキリスト教という欧米の宗教の教えを伝える人という印象を持ってしまいますが、キリスト教を伝えるために、手段として現地の文化を尊重しましょうということではなく、本当のイエス・キリストの教えを伝えましょうということであれば、私は心から賛同いたします。
本来の人間の姿
文化ではない。宗教でもない。すべての人は生まれながらに人間中心、自己中心ですが、それを退けて、神に立ち返って、神を中心にして生きる。それがイエス・キリストの教えです。それは決してキリスト教ではありません。何かの宗教団体の会員になることではない。人として本来の姿を取り戻すことに他なりません。
沖縄、日本
沖縄人であることが否定されることではありません。日本人であることが否定されることでもありません。むしろ欧米のキリスト教国と言われる国の人々よりも本当のイエスの教えが色濃くその文化の中に残されているのが沖縄であり、日本なのです。
パラダイム・シフト
しかし、だからと言って、日本人、沖縄人であれば、悔改めなくてもいいということではありません。イエスの教えを色濃く残す沖縄、日本であっても、生まれながらの人は皆自己中心、人間中心であり、神を中心にして物事を観るという視点は持っていませんし、想像したこともないので、分からないでいます。視点を人間中心から、神中心にパラダイムをシフトしなければならないのです。それがイエス・キリストの教えです。
聖書を読みましょう
それでは今日も聖書の続きを読みましょう。聖書は沖縄のみならず、日本の歴史のルーツです。キリスト教の教典としてではなく、日本人として聖書を開くとき、そこに古くて新しい発見があることでしょう。日本人こそ聖書の精神を本当の意味で理解することができる精神土壌を持っているのです。
新約聖書 ヨハネによる福音書 9章35~41節
イエスは、その人が外へ追い出されたことを聞かれた。そして彼に会って言われた、「あなたは人の子を信じるか」。彼は答えて言った、「主よ、それはどなたですか。そのかたを信じたいのですが」。
イエスは彼に言われた、「あなたは、もうその人に会っている。今あなたと話しているのが、その人である」。すると彼は、「主よ、信じます」と言って、イエスを拝した。
そこでイエスは言われた、「わたしがこの世にきたのは、さばくためである。すなわち、見えない人たちが見えるようになり、見える人たちが見えないようになるためである」。
そこにイエスと一緒にいたあるパリサイ人たちが、それを聞いてイエスに言った、「それでは、わたしたちも盲(めくら)なのでしょうか」。イエスは彼らに言われた、「もしあなたがたが盲人であったなら、罪はなかったであろう。しかし、いまあなたがたが『見える』と言い張るところに、あなたがたの罪がある。
主よ、信じます
「人の子」とは、旧約聖書が預言するメシヤのことです。やがてメシヤが現れ、イスラエルを回復してくださると預言されていました。イエスはわたしがメシヤだと言われました。盲人だった男はイエスをメシヤとして受け入れました。イエスの教えに従うという表明でしょう。決してキリスト教徒になったということではありません。
あなたがたが盲人であったなら
生まれながらに人は皆、自己中心であり、人間中心なのです。イエスはそれを罪、的外れな生き方だと指摘しました。だから悔い改めて、神の国を受け入れよというのがイエスの教えでした。しかし、それは人が誰も経験したことがありません。「見える」という言うなら、まったく見えていないのです。人間中心の考え方でイエスの教えを判断するのではなく、神に立ち返って、神を中心にして生きて初めてイエスの教えを理解することができるのです。
いかがでしたか
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目次
第一章 学園の日常
第二章 イエスの教え
第三章 神と共に生きる
第四章 私が得たもの
第五章 古代ユダヤ人によって日本にもたらされた信仰
第六章 日本人の幸せ
第七章 日本の危機
第八章 求められているもの
第九章 信じるということ
第十章 宗教ではない
第十一章 日本人の宗教観
第十二章 現実逃避なのか
第十三章 神と共に生きる
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