ある方が金谷武洋著「日本語が世界を平和にするこれだけの理由」(飛鳥新社)という本を紹介してくれました。私は「日本人の信仰が世界を救う」という本を出していますが、日本人の高い国民性は日本語と関係があるという内容で、とても面白いと思いましたのでご紹介いたします。
言葉が人間性に影響を与える
著者はカナダの大学で長年日本語を教えてこられた方で、日本語と英語やフランス語などの文の構造の違いが、その国民性、人間性に大きな影響を与えていると言っています。次のように述べていらっしゃいます。
ひとことで言えば、日本語は共感の言葉、英語は自己主張と対立の言葉だというのが私の結論です。
日本語には主語はいらない
本では「ありがとう」と「Thank you」、「おはよう」と「Good morning」など、具体例を挙げて説明されていらっしゃいますので、ぜひ読んでいただきたいと思いますが、簡単にまとめると、日本語は主語がなくても、述語だけで文章として成立しますが、英語やフランス語、そして中国語などは主語がないと文章として成立しない。それが原因ではないかとおっしゃっています。
英語や中国語話者は自己を強く打ち出す自己主張(いわゆる「自己チュー」ですね)が強いのに対して、日本人は、驚くほど自己主張をしません。
日本語話者は、それよりも、周りと協調し、「全体の中に自分を合わせていくこと」を目指すことが多いようです。
こうした日本人の性格は日本語が支えている、いやもっと言えば、実は話が逆で、こんな風にできている日本語を幼いときから話しているうちに、日本人は自己主張をしなくなるのだ、と私には思えます。これはニワトリが先か、卵が先かというようなものでしょうが。
話し手の視点の違い
そして、このような違いは「話し手の視点の違い」によると著者は説明しています。
いろいろな言語表現を観察した結果、英語の話者は聞き手と同じ地平に立たないどころか、自分を含めた状況から身を引き離して上空から見下ろしているようになってしまったと私には思われて仕方ありません。
日本語は「上から目線」の正反対です。
共感的な日本語
こうして、共感的な視点を持つ日本語を幼い時から話す日本人は、常に人と自分を対立的にとらえないで、共感的に観るようになり、英語のように主語と目的語を常に対立させて観る言葉を幼い時から使えば、対立的になるのは当然だということでしょう。もちろん、卵が先か、ニワトリが先かという問題であることは著者も指摘しているところですが、日本人の共感的な国民性は、日本語と共に引き継がれているということでもあると思います。
世界を平和にする日本語
このような日本人の国民性、そして日本語に世界平和の希望があるというのが著者の主張ですが、明日、もう少しその辺のところをご紹介したいと思います。
聖書を読みましょう
それでは今日も聖書の続きを読みましょう。聖書は日本人の国民性のルーツです。キリスト教の教典としてではなく、日本人として聖書を開くとき、そこに古くて新しい発見があることでしょう。
新約聖書 ヨハネによる福音書 13章21~30節
イエスがこれらのことを言われた後、その心が騒ぎ、おごそかに言われた、「よくよくあなたがたに言っておく。あなたがたのうちのひとりが、わたしを裏切ろうとしている」。
弟子たちはだれのことを言われたのか察しかねて、互に顔を見合わせた。弟子たちのひとりで、イエスの愛しておられた者が、み胸に近く席についていた。そこで、シモン・ペテロは彼に合図して言った、「だれのことをおっしゃったのか、知らせてくれ」。
その弟子はそのままイエスの胸によりかかって、「主よ、だれのことですか」と尋ねると、イエスは答えられた、「わたしが一きれの食物をひたして与える者が、それである」。そして、一きれの食物をひたしてとり上げ、シモンの子イスカリオテのユダにお与えになった。
この一きれの食物を受けるやいなや、サタンがユダにはいった。そこでイエスは彼に言われた、「しようとしていることを、今すぐするがよい」。席を共にしていた者のうち、なぜユダにこう言われたのか、わかっていた者はひとりもなかった。
ある人々は、ユダが金入れをあずかっていたので、イエスが彼に、「祭のために必要なものを買え」と言われたか、あるいは、貧しい者に何か施させようとされたのだと思っていた。ユダは一きれの食物を受けると、すぐ出て行った。時は夜であった。
サタンがユダにはいった
イエスを裏切ることは神の前に正しいことではないことは、ユダにも分かっていたでしょう。しかし、ユダは神に従うのではなく、サタンに従う道を選んだということではないでしょうか。「しようとしていることを、今すぐするがよい」とイエスは言ったと記されています。それは決して幸いな道ではないと思いますが、もし神に従わない道をあえて選ぶなら、神に従わずにサタンに従うと心に決めるなら、イエスは「そうするがよい」と言われるということなのかもしれません。
いかがでしたか
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目次
第一章 学園の日常
第二章 イエスの教え
第三章 神と共に生きる
第四章 私が得たもの
第五章 古代ユダヤ人によって日本にもたらされた信仰
第六章 日本人の幸せ
第七章 日本の危機
第八章 求められているもの
第九章 信じるということ
第十章 宗教ではない
第十一章 日本人の宗教観
第十二章 現実逃避なのか
第十三章 神と共に生きる
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