日本語の中に見られる日本人の宗教心について、元クリスチャン(プロテスタント)のドイツ人で今は曹洞宗の住職をされているネルケ無方氏の著書「日本人に『宗教』は要らない」からご紹介いたします。
日本語の中にある宗教心
日本人の日常会話はとても宗教心にあふれている。「ありがとう」「すみません」「いただきます」「ごちそうさま」「もったいない」「お互いさま」など、通常の生活の中に宗教的な言葉をたくさん見つけることができる。
お陰さま
その中でも「お陰さま」。この言葉には、何か大きなものに見守られている安心感、生かされていることへの感謝の気持ちなど、多様な意味を含んでいるように思う。それはご先祖様のお陰でもあるし、神様や自然のお陰でもある。
誰のお陰なのか
欧米では、「誰のお陰なのか、はっきりしろ」と、明確な答えを出すように言われるだろう。つまり、それはイエス・キリストだと。日本の場合は、はっきりとではなく、なんとなく漠然としている。「お陰さまで、今日はいい天気になりましたね」など、対象が曖昧だ。
お天道様が見ている
「お天道様が見ているから大丈夫」「お天道様に見られているから悪いことをしては駄目」という感覚もあると思う。誰も見ていなくても、正しく生きていればお天道様が見ていてくれるし、悪いことをしてもお天道様が見ているわけだ。
すみません
「ありがとう」と「すみません」の使い方も面白い。英語なら「サンキュー」と言うべき場面に、「すみません」という言葉で対応するのが日本語の不思議なところだ。(中略)感謝の気持ちを「すみません」という言葉で表す。これも日本人の宗教観からきているに違いない。
主語
欧米の言葉に欠かせないのは、主語である。英語で「愛している」という場合は、「アイ・ラブ・ユー」と、誰が誰を愛しているかを明確にしなければいけない。日本語では、両方を省いても成り立つ。
お互いの関係性
また日本語では、一人称が「私」以外に、「僕」「俺」「自分」「あたい」「うち」「小生」「手前」など別の言い方がある。(中略)二人称も同様に、「あなた」「君」「お宅」「お前」「貴兄」「そなた」などいろいろな言い方がある。誰が誰に向かって話しているか、お互いの関係性がここからわかる。
英語ではIとyouだけ
西洋人にとっては、上記の使い分けが非常に難しい。欧米の言語は、日本語ほど相手に対して気をつかう必要がない。欧米は人間関係がシンプルで、日本のように複雑ではないからだ。(本からの引用は以上です。)
日本人にとっては当たり前
ことさらに宗教を強調するまでもなく、日本人にとっては当たり前のことの中に、欧米人には宗教心の現れだと感じることがあるということだと思います。神様を中心にして生きることは、日本人にとって当たり前のことなのだと思います。
聖書を読みましょう
それでは今日も聖書の続きを読みましょう。聖書は戒律が記された宗教の教典ではなく、神様を中心にして生きようとしたユダヤ人の歴史であり記録だと思います。また、私たち日本人にとって当たり前の生き方の源泉がここにはあると思います。キリスト教の教典としてではなく、神様を中心にして生きるために聖書をお読みいただきたいと思っています。
新約聖書 マタイの福音書 13章53~58節
これらのたとえを話し終えると、イエスはそこを去られた。それから、ご自分の郷里に行って、会堂で人々を教え始められた。
すると、彼らは驚いて言った。「この人は、こんな知恵と不思議な力をどこで得たのでしょう。この人は大工の息子ではありませんか。彼の母親はマリヤで、彼の兄弟は、ヤコブ、ヨセフ、シモン、ユダではありませんか。妹たちもみな私たちといっしょにいるではありませんか。とすると、いったいこの人は、これらのものをどこから得たのでしょう。」こうして、彼らはイエスにつまずいた。
しかし、イエスは彼らに言われた。「預言者が尊敬されないのは、自分の郷里、家族の間だけです。」そして、イエスは、彼らの不信仰のゆえに、そこでは多くの奇蹟をなさらなかった。
郷里の人々の反応
郷里の人々はイエスの教えを聞いて驚きました。「不思議な力」とありますので、イエスを通して神様の超自然的な力が働いていることも目の当たりにしたのではないでしょうか。それでも、イエスの言葉を聞いて、自己中心を退けて、神様を中心にして生きるようにはならなかったのだと思います。
いろいろな言い訳
郷里の人々はイエスを子供の頃から知っていたのでしょう。彼らはいろいろと理由をつけて、結局は自己中心のまま生き続けたのだと思います。どんなに素晴らしい話を聞いても、不思議な出来事を目撃しても、自己中心を退けて、神様を中心として生きるようにならなければ何の意味があるのでしょうか。
神様を中心にして生きる
大切なことは自己中心を退けて、神様を中心にして生きることだと思います。そこに私たちが抱える全ての問題の解決と喜びの人生があることを思います。
いかがでしたか
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今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。