伝統的なキリスト教は西欧で発展して来たので、イエスの教えだけでなく、西欧的な文化の影響も受けていると思います。日本には西欧キリスト教とは別のルートで、イエスと寝食を共にした弟子たちのグループが直接渡来している可能性について、このブログでもお伝えしておりますが、そのような日本人が聖書を読むと、西欧キリスト教ではないイエスの教えが見えて来るのではないでしょうか。
日本人の信仰の特徴
日本人の宗教観で特徴的なことは、特定の宗教を持つことに抵抗があるということだと思います。しかし、日本人は決して無神論者ではありません。ある世界規模の調査によると、「神の存在を信じない」という日本人は8.7パーセントという結果で、「分からない」という人も含めれば、日本人の9割以上が神の存在を否定できないと考えていることが分かります。
全ての宗教を超越した神様
日本人が考える神様は特定の宗教の神様ではなく、全ての宗教を超越した神様だと思います。イエスが教えた神様もまた、何か特定の宗教の神様ではなく、天地万物の創造主である全てを超越した神様だと思います。イエスはまたユダヤ教という宗教ではなく、神様を中心にして生きる「神の国」について教えたのであり、キリスト教という新しい宗教を始めた訳ではないと思います。この点においても日本人の宗教観に近いと考えられます。
イエス・キリストを主と告白しなければならないのか
伝統的なキリスト教信仰では、イエス・キリストを主と告白することが救いの条件と考えられています。確かにそれを裏付けるような聖書箇所もあります。しかし、多くの日本人にとって、それはキリスト教徒になることだと受け止められ、抵抗を感じるだろうと思います。しかし、「神様と私はひとつ」という内容のイエスの言葉が聖書の中にはあります。神様を中心にして生きることは、神様を主とすること。そうだとすれば、それはイエスを主とすることと同じと考えることも出来ます。こんな考え方も日本人の信仰からは言えるのではないかと思います。
大切なことは神様を中心にすること
大切なことは宗教ではなく、神様を中心にして生きること。それがイエスの教えだと思います。
聖書を読みましょう
それでは今日も聖書の続きを読みましょう。聖書は宗教の戒律が記された教典ではなく、神様を中心にして生きようとしたユダヤ人の記録であり、実は私たち日本人の信仰のルーツでもあります。キリスト教の教典としてではなく、神様を中心にして生きる日本人として聖書を読んでみてください。
新約聖書 マタイの福音書 26章31~35節
そのとき、イエスは弟子たちに言われた。「あなたがたはみな、今夜、わたしのゆえにつまずきます。『わたしが羊飼いを打つ。すると、羊の群れは散り散りになる』と書いてあるからです。しかしわたしは、よみがえってから、あなたがたより先に、ガリラヤへ行きます。」
すると、ペテロがイエスに答えて言った。「たとい全部の者があなたのゆえにつまずいても、私は決してつまずきません。」イエスは彼に言われた。「まことに、あなたに告げます。今夜、鶏が鳴く前に、あなたは三度、わたしを知らないと言います。」
ペテロは言った。「たとい、ごいっしょに死ななければならないとしても、私は、あなたを知らないなどとは決して申しません。」弟子たちはみなそう言った。
弟子たちは理解していなかった
イエスは弟子たちの何を見て、そう言ったのでしょうか。イエスは間もなく十字架に架けられる。それが、ユダヤ人が太古の昔から守って来た「過越の祭」の本当の意味であり、イエスの身代わりの死によって、人類は神様に立ち返り、神様を中心にすることができるようになる。それが神様から権威を与えられたメシヤの意味だと、イエスは弟子たちに過越の食事を通して語りました。しかし、弟子たちはその意味を理解していなかったのかもしれません。
弟子たちの覚悟
弟子たちはイエスと一緒に死ぬ覚悟も出来ていると言いました。最後まで一緒に戦うつもりだったのかもしれません。しかし、イエスはユダヤ教の指導者たちと戦うつもりはなかったのだと思います。そういうイエスに弟子たちはつまずくことが分かっていたのかもしれません。
それは人間の考え
それは弟子たちの考えであって、神様を中心としたものではなかったということなのでしょう。イエスにはそれが分かっていたのでしょう。弟子たちは神様を中心にしているつもりだったのかもしれません。しかし、自分でも気が付いていないということはあり得ることだと思います。神様を中心にして生きるというのは一筋縄では行かないものかもしれません。間違いもあるでしょう。しかし、それと気づかされて、また深められて行くものではないでしょうか。
いかがでしたか
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