【聖書預言と日本】イスラエル人とは誰か

中東の地図

水、土曜日は「イスラエル12部族に関する聖書預言と日本」という連載を始めました。月、木曜日は文化的、歴史的に日本とイスラエルの関係について書いていますが、水、土曜日は私の考えとか、そういう意見があるということではなく、聖書には何が書いてあるのかということをお伝えします。今日はその2回目です。

ノア、セム、アブラハムの家系を通して

前回、人類はノアから増え広がったこと、ノアの3人の息子のうち、セムが祝福を受け継ぐ家系となったこと、そして、その子孫にアブラハムが生まれたと聖書に書いてあることをお伝えしました。アブラハムはハランというところに移り住んでいましたが、その時、神様はアブラハムを選び、祝福の民としたことが聖書には記されています。

旧約聖書 創世記 12章1~7節

時に主はアブラムに言われた、「あなたは国を出て、親族に別れ、父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい。わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大きくしよう。あなたは祝福の基となるであろう。あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。地のすべてのやからは、あなたによって祝福される」。

アブラムは主が言われたようにいで立った。ロトも彼と共に行った。アブラムはハランを出たとき七十五歳であった。アブラムは妻サライと、弟の子ロトと、集めたすべての財産と、ハランで獲た人々とを携えてカナンに行こうとしていで立ち、カナンの地にきた。アブラムはその地を通ってシケムの所、モレのテレビンの木のもとに着いた。そのころカナンびとがその地にいた。

時に主はアブラムに現れて言われた、「わたしはあなたの子孫にこの地を与えます」。アブラムは彼に現れた主のために、そこに祭壇を築いた。

主、ハラン、カナン、アブラム

「主」というのは、ヘブライ語で主人という意味の「アドナイ」という言葉ですが、神様を表す時にも使われるようです。また、「ハラン」とは古代メソポタミヤ北部の都市で、現在のトルコとシリアの国境近くにあたります。「カナン」とは、現在イスラエルがあるパレスチナ地方のことです。この「アブラム」がやがて「アブラハム」と呼ばれるようになります。

アブラハムの子

アブラハムにはイシュマエルという奴隷女ハガルとの間に生まれた子とイサクという妻サラとの間に生まれた子がいました。神様はイシュマエルではなく、イサクの家系を祝福したと聖書には記されています。

旧約聖書 創世記 25章11節

アブラハムが死んだ後、神はその子イサクを祝福された。

イサクの子

イサクにはエサウとヤコブという双子の男の子が生まれます。神様の祝福は兄エサウではなく、弟ヤコブが受け継ぐことになります。

旧約聖書 創世記 27章21~29節

イサクはヤコブに言った、「子よ、近寄りなさい。わたしは、さわってみて、あなたが確かにわが子エサウであるかどうかをみよう」。ヤコブが、父イサクに近寄ったので、イサクは彼にさわってみて言った、「声はヤコブだが、手はエサウの手だ」。ヤコブの手が兄エサウの手のように毛深かったため、イサクはヤコブを見わけることができなかったので、彼を祝福した。

イサクは言った、「あなたは確かにわが子エサウですか」。彼は言った、「そうです」。イサクは言った、「わたしの所へ持ってきなさい。わが子のしかの肉を食べて、わたしみずから、あなたを祝福しよう」。ヤコブがそれを彼の所に持ってきたので、彼は食べた。またぶどう酒を持ってきたので、彼は飲んだ。そして父イサクは彼に言った、「子よ、さあ、近寄ってわたしに口づけしなさい」。彼が近寄って口づけした時、イサクはその着物のかおりをかぎ、彼を祝福して言った。

「ああ、わが子のかおりは、主が祝福された野のかおりのようだ。どうか神が、天の露と、地の肥えたところと、多くの穀物と、新しいぶどう酒とをあなたに賜るように。もろもろの民はあなたに仕え、もろもろの国はあなたに身をかがめる。あなたは兄弟たちの主となり、あなたの母の子らは、あなたに身をかがめるであろう。あなたをのろう者はのろわれ、あなたを祝福する者は祝福される」。

兄エサウを装った弟ヤコブ

こうして、弟ヤコブは兄エサウを装って、父の祝福、神様の祝福を受けたのです。しかし、もともと神様は兄エサウではなく、弟ヤコブを祝福する計画だったことも聖書には記されています。その後、兄エサウが父イサクのところに来て、祝福を求めますが、すでに祝福は弟ヤコブに与えてしまったので、兄エサウを祝福することはできないとイサクは言います。

旧約聖書 創世記 27章38~40節

エサウは父に言った、「父よ、あなたの祝福はただ一つだけですか。父よ、わたしを、わたしをも祝福してください」。エサウは声をあげて泣いた。父イサクは答えて彼に言った、「あなたのすみかは地の肥えた所から離れ、また上なる天の露から離れるであろう。あなたはつるぎをもって世を渡り、あなたの弟に仕えるであろう。しかし、あなたが勇み立つ時、首から、そのくびきを振り落すであろう」。

神様の祝福を受けるヤコブ

そして、ヤコブは神様から祝福の言葉を受けます。

旧約聖書 創世記 28章10~15節

さてヤコブはベエルシバを立って、ハランへ向かったが、一つの所に着いた時、日が暮れたので、そこに一夜を過ごし、その所の石を取ってまくらとし、そこに伏して寝た。時に彼は夢をみた。一つのはしごが地の上に立っていて、その頂きは天に達し、神の使たちがそれを上り下りしているのを見た。

そして主は彼のそばに立って言われた、「わたしはあなたの父アブラハムの神、イサクの神、主である。あなたが伏している地を、あなたと子孫とに与えよう。あなたの子孫は地のちりのように多くなって、西、東、北、南にひろがり、地の諸族はあなたと子孫とによって祝福をうけるであろう。わたしはあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り、あなたをこの地に連れ帰るであろう。わたしは決してあなたを捨てず、あなたに語った事を行うであろう」。

ヤコブがイスラエルと呼ばれるようになる

やがて、ヤコブは神様からイスラエルという名前を与えられます。したがって、イスラエル人とはヤコブとその子孫のことであることが分かります。

旧約聖書 創世記 35章9~12節

さてヤコブがパダンアラムから帰ってきた時、神は再び彼に現れて彼を祝福された。神は彼に言われた、「あなたの名はヤコブである。しかしあなたの名をもはやヤコブと呼んではならない。あなたの名をイスラエルとしなさい」。こうして彼をイスラエルと名づけられた。

神はまた彼に言われた、「わたしは全能の神である。あなたは生めよ、またふえよ。一つの国民、また多くの国民があなたから出て、王たちがあなたの身から出るであろう。わたしはアブラハムとイサクとに与えた地を、あなたに与えよう。またあなたの後の子孫にその地を与えよう」。

イスラエル民族を祝福する神

こうして、イスラエル民族は神様に選ばれ、パレスチナの地を与えられ、神様はイスラエル民族を祝福すると約束されたことが聖書には記されているのです。

ヘブライ人(ヘブル人)とは

ちなみに「ヘブライ人」という呼び名もあり、ほとんどイスラエル人と同じ意味で使われているようですが、それは「川の向こうからやってきた人々」という意味で、イスラエルのような個人名ではありません。それはアブラハムの子孫を指していると考えられます。ヘブライ人は民族的な呼び名で、イスラエルには「神の民」という意味があると思います。

いかがでしたか

参考になりましたら「いいね!」でお知らせください。また、シェアのご協力もよろしくお願いします。今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。

本をお求めください

本の表紙Amazonから「日本人の信仰が世界を救う—元キリスト教牧師が語る神の国ニッポン」を出版しています。日本人の高い国民性のルーツは聖書にあること、イエスの教えはキリスト教よりむしろ「日本人の信仰」の中に引き継がれていることが分かります。ぜひ、お読みください。詳しくはこちらをご覧ください。

目次
一章 世界から称賛される日本人の国民性
二章 日本人の宗教観
三章 古代日本にやって来たユダヤ系渡来人の影響
四章 日本人の信仰
五章 「人生の目的」
六章 「人間関係」
七章 「子供の教育」
八章 「恋愛・結婚」

投稿者: 吉村 忠敏

全ての問題の原因は人間中心、自己中心です。人間中心、自己中心を退けて、神に立ち帰って正しく生きるなら、どんな問題も解決します。しかし、人は生まれながらに人間中心、自己中心であり、そのことに気づいていないことも多々あります。だから毎日神に祈り、聖書を読むことをお勧めします。それは必ずしもキリスト教徒になることではありません。神を中心とした正しい生き方は本当の日本人の心を取り戻すことです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA