「私は、これからも『和の国』日本で暮らし続けたい」と語るのは、日本在住45年のイタリア人、竹内マテルダさん。加藤恭子編「続・私は日本のここが好き!外国人43人が深く語る」からご紹介いたします。
日本人の友達
私が初めて日本の地を踏んだのは、1965(昭和40)年の春のことでした。二年ほどで東京のマンションに移り、長女を出産。「和の国、日本」を理解できるようになったのは、ここで八年ほど暮らしたおかげです。子育てを通じてマンションの同年齢の日本の人たちと友達になれたのです。
助け合い
その頃は日常会話くらいの日本語なら話せましたが、まだ書くことは十分にはできません。子供の保育園の書類を書く時「漢字書けないでしょ。書いてあげるよ」と手伝ってくれたり「言葉が通じなかったら困るでしょう」と入園面接に付き添ってくれたりしました。
その方が楽しい
八年間の生活で私は、日本文化の「助け合う」「お互い様」を身を持って知りました。イタリア人は、基本的には個人主義でエゴが強いのであまり他者のことは考えません。「日本は和の国だ」—とても自然に理解できました。そして、百パーセントの自己主張より、時には相手に合わせることも大切だと気づきました。結局その方が楽しいし、平和に幸せに暮らせると感じるようになったのです。
思いやり
「思いやり」は、デパートやマーケット、美術館や博物館などのサービスにも現れていますね。例えばデパートで洋服を買う時など、店員さんが「これはどうですか」などと笑顔でアドバイスしてくれます。ミラノでは、お客が少しでも商品に触ろうとすると「触っちゃダメ!」ときつく怒られてました。それに、日本では最終的に買わなくても、最後に「ありがとうございました」と丁寧にお礼を言われ、とても気持ちがいいです。
「和」を大切にする日本人
イタリアでは家の中は綺麗に掃除し飾り付けもしますが、家の前の道路までは掃除しません。でも、日本では自分の家の前の道路の落ち葉なども綺麗に掃きますね。イタリアから友人が来ると「なぜ道路まで掃除するの?あなたの責任はないのに」と不思議がります。「和」を大切にする日本と個人主義のイタリアの国民性の違いなでしょうね。
日本文化は素晴らしい
こうして、日本での長年の生活の中で、「イタリア風のエゴの強さで人とぶつかるより日本風に周りと調和して暮らす方が結局自分も楽しく平和に暮らせる」と自然に分かってきて、「相手を思いやる」日本文化は素晴らしいと思うようになりました。これこそが「和を大切にする」日本の文化なんですね!(本からの引用は以上です。)
聖書を読みましょう
それでは今日も聖書の続きを読みましょう。日本人の「和の精神」は聖書にルーツがあります。キリスト教の教典としてではなく、日本人として聖書を読んでみてください。
新約聖書 ルカによる福音書 22章63~71節
イエスを監視していた人たちは、イエスを嘲弄し、打ちたたき、目かくしをして、「言いあててみよ。打ったのは、だれか」ときいたりした。そのほか、いろいろな事を言って、イエスを愚弄した。
夜が明けたとき、人民の長老、祭司長たち、律法学者たちが集まり、イエスを議会に引き出して言った、「あなたがキリストなら、そう言ってもらいたい」。イエスは言われた、「わたしが言っても、あなたがたは信じないだろう。また、わたしがたずねても、答えないだろう。しかし、人の子は今からのち、全能の神の右に座するであろう」。
彼らは言った、「では、あなたは神の子なのか」。イエスは言われた、「あなたがたの言うとおりである」。すると彼らは言った、「これ以上、なんの証拠がいるか。われわれは直接彼の口から聞いたのだから」。
「あなたがキリストなら、そう言ってもらいたい」
「キリスト」とは、旧約聖書が預言するメシヤ、イスラエルを救うために、神から特別な権威を与えられた者。人民の長老、祭司長たち、律法学者たちは、なぜこのような質問をしたのでしょうか。それは真理を求めるためではなく、イエスがキリストであると答えたら、それによってイエスを有罪にしようという考えがあったのでしょう。
「あなたがたは信じないだろう」
「信じる」とはどういうことでしょうか。それはイエスをキリスト、神から特別な権威を与えられた者と受け入れ、その教えに聞き従って神に立ち帰り、神を心に据え、神を中心にして生きることでしょう。それが正しいことであることは、誰でもその良心の声を聞けば分かることではないでしょうか。
神の右に座す
「しかし、人の子は今からのち、全能の神の右に座するであろう」とイエスは言いました。イエスの言葉を受け入れる、受け入れないに関わらず、それは間もなく実現する事実だということでしょう。
いかがでしたか
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本書の目次
一章 世界から称賛される日本人の国民性
二章 日本人の宗教観
三章 古代日本にやって来たユダヤ系渡来人の影響
四章 日本人の信仰
五章 「人生の目的」
六章 「人間関係」
七章 「子供の教育」
八章 「恋愛・結婚」
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