日本とイスラエルに関連する事柄について、アビグドール・シャハン著「古代日本に辿り着いたユダヤ人・失われた十部族の足跡~イスラエルの地から日本まで」からご紹介いたします。
二人の王の共通点
日本の伝承と聖書における、これら二人の王の物語の共通点はまだある。二人の王はどちらも近親者による反乱を経験し、それを女性の口によって知らされる。ダビデの妻バテセバはアドニヤがダビデに断りもなく即位を宣言したことをダビデに告げた。この知らせを受けたダビデはすぐ祭司ツァドク、預言者ナタン、ヨヤダの子ベナヤに命じ、ソロモンをラバに乗せてギホンの川に向かわせ、王として油を注ぎ、角笛を吹き鳴らして「ソロモン王万歳」と宣言させた。
反乱の鎮圧
日本の伝承に登場する女性もまた崇神天皇に親族の反乱を告げ、天皇軍は反乱を鎮圧した。さらに、どちらの物語の反乱も川のそばで王の権威を示すことで鎮圧されている。崇神天皇の軍隊は「山背(ヤマシロ)」のそばの川で反乱軍を鎮圧し、ソロモン王はギホン川で王に任命された。
アブサロムの反乱とアドニヤの反乱
聖書に登場するダビデの二人の王子による反乱の物語は、どちらも最初は陰謀から始まり、それが川のそばで大きな戦いへと発展していき、やがて日本の物語同様反乱者の死亡で終わる。私の考えでは、崇神王の親族の反乱物語は、実はアブサロムの反乱とアドニヤの反乱という二つの聖書物語が一つに組み合わされ、日本の伝承の中で多少変化を通ったものであろう。また日本の伝承では、何らかの理由で聖書物語から抜け落ちた詳細部分が保存された。
イドミの地「ヤマシロ」とは
崇神天皇はイドミの地の「ヤマシロ」で戦った。私の考えでは「ヤマシロ」とは「ヤマット・セイール」(ヘブライ語で「セイルの海」の意味)、つまりエドムの地、セイル山の麓の死海である。というのも、古代この地を支配したエドム人は死海をも支配し、長い間この地は彼らの名で呼ばれた。
二つの物語が一つになった
ダビデ王の子アブサロムの反乱によっておこった戦争は、エフライムの森でアブサロムが殺されて終了する。しかしダビデは死海の北側のヨルダン川に近い荒れ野を通って逃げたため、実際に戦いの多くが行われたのは死海地方である。アブサロムが、逃亡したダビデの居場所を突き止めると、アブサロム側についている振りをしていたダビデの相談役フシャイは、ダビデに使者を送り、ただちに逃げるように勧告した。ダビデはすぐにヨルダン川の東側、イスラエルのエドムの地へと渡った。ダビデは以前エドムの地を屈服させ、そこに守備隊を置いて支配させていた。日本の伝承では上述した二つの反乱物語が組み合わされ、一つの物語になったのである。(本からの引用は以上です。)
聖書を読みましょう
それでは今日も聖書の続きを読みましょう。聖書は日本の歴史のルーツです。キリスト教の教典としてではなく、日本人として聖書を開くとき、そこに古くて新しい発見があることでしょう。
新約聖書 マタイによる福音書 18章15~20節
もしあなたの兄弟が罪を犯すなら、行って、彼とふたりだけの所で忠告しなさい。もし聞いてくれたら、あなたの兄弟を得たことになる。もし聞いてくれないなら、ほかにひとりふたりを、一緒に連れて行きなさい。それは、ふたりまたは三人の証人の口によって、すべてのことがらが確かめられるためである。
もし彼らの言うことを聞かないなら、教会に申し出なさい。もし教会の言うことも聞かないなら、その人を異邦人または取税人同様に扱いなさい。よく言っておく。あなたがたが地上でつなぐことは、天でも皆つながれ、あなたがたが地上で解くことは、天でもみな解かれるであろう。
また、よく言っておく。もしあなたがたのうちのふたりが、どんな願い事についても地上で心を合わせるなら、天にいますわたしの父はそれをかなえて下さるであろう。ふたりまたは三人が、わたしの名によって集まっている所には、わたしもその中にいるのである」。
罪
「罪」とは犯罪のことを言っているのでしょうか。犯罪ではなくても、神から離れた言動も含めて「罪」と言われているのかもしれません。いきなり人々の前で指摘するのではなく、段階を踏んで忠告するようにと言われています。それはその人の回復を願っての配慮であり、愛であることを思います。
教会
「教会」とは何でしょうか。当時、キリスト教会はまだありませんので、キリスト教会でないことは確かでしょう。ユダヤ教でも「教会」と呼ばれていたのでしょうか。そうかもしれません。しかし、イエスは決して宗教団体のことを言っているのではないでしょう。その罪が関連するコミュニティーの人々全体と考えて良いのではないでしょうか。地上での出来事は天とつながっていることが示唆されているように思います。
二人三人が集まる所
もちろんたった一人の祈りでも神は聞いて下さるとイエスは教えました。ここではやはりコミュニティーが想定されているように思います。地上のコミュニティー、地上での出来事、それは天とつながっていることが示唆されているのではないでしょうか。
いかがでしたか
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目次
第一章 学園の日常
第二章 イエスの教え
第三章 神と共に生きる
第四章 私が得たもの
第五章 古代ユダヤ人によって日本にもたらされた信仰
第六章 日本人の幸せ
第七章 日本の危機
第八章 求められているもの
第九章 信じるということ
第十章 宗教ではない
第十一章 日本人の宗教観
第十二章 現実逃避なのか
第十三章 神と共に生きる
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