今日も金谷武洋著「日本語が世界を平和にするこれだけの理由」(飛鳥新社)からご紹介いたします。
日本語を話すと、心が変わる
日本語を長年教えて気がついたのは、日本語学習を通じて、学習者の世界観まで変わるということでした。・・・合計すると200から300人ぐらいの学生を私は日本に送りこみましたが、帰ってくると・・・ほとんどの学生が優しくなります。何と日本語を話して日本で生活していると、本人も気がつかないうちに「性格が変わってしまう」のです。話し方も変わります。声が変わり、静かな声で話すようになります。つまり攻撃的な性格が姿を消します。これは明らかに・・・日本人の話し方に影響されたものでしょう。
日本のお母さん
日本の何が良いのかと聞くと、・・・「日本はきれいで便利で清潔、日本人は親切でやさしい」というような答えがいつも返ってきます。多くはホームステイをするのですが、「日本のお母さん」は親身になって、つまり留学生である自分の身になって考えてくれる、と言います。・・・主語(私)と目的語(相手)を切り離して対立する英語的な世界とは正反対の、二人とも同じ風呂敷に入って同じ方向を見る思想と言ってもいいでしょう。
日本からの留学生
カナダへも日本から留学生が来てホームステイをしますが、「門限に遅れるな」とか、「部屋がきたないわよ」とか。上から目線・命令調の「規則の押しつけ」がどうしても前面に出る様子です。これは英語の他動詞構文のアプローチですね。それに対して、日本のお母さんは学生と同じ目線で「大丈夫。何か困っていない?」と言うのです。問題を打ち明けると「そう。困ったわけ。じゃこうしない?」と「まるでこちらの心の中にすーっと入ってきたように」考えてくれると言います。「そういう見方、助けられ方を私は日本に来て、初めて知りました」と、日本へ留学した学生たちは感動して語るのです。これこそ、日本語に裏打ちされた思想、「日本語力」でなくて何でしょう。
共同、共視、共存
こうして、日本人と出会うことで、また日本語の学習を通じて、学習者の世界観が、競争から共同、直視から共視、抗争から共存へと変わって行きます。(本からの引用は以上です。)
日本人の心
それは日本語を話すだけで、心まで変わったというよりも、やはり日本人と接することで変わったということではないでしょうか。もちろん、そこに日本語も含まれると思いますが、人間中心、自己中心を退けて、神の前に正しく生きようとする日本人こそが全人類の求めている姿ではないかという気がします。
聖書を読みましょう
それでは今日も聖書の続きを読みましょう。聖書は日本人の心のルーツです。キリスト教の教典としてではなく、日本人として聖書を開くとき、そこに古くて新しい発見があることでしょう。
新約聖書 ヨハネによる福音書 14章1~7節
「あなたがたは、心を騒がせないがよい。神を信じ、またわたしを信じなさい。わたしの父の家には、すまいがたくさんある。もしなかったならば、わたしはそう言っておいたであろう。あなたがたのために、場所を用意しに行くのだから。そして、行って、場所の用意ができたならば、またきて、あなたがたをわたしのところに迎えよう。わたしのおる所にあなたがたもおらせるためである。わたしがどこへ行くのか、その道はあなたがたにわかっている」。
トマスはイエスに言った、「主よ、どこへおいでになるのか、わたしたちにはわかりません。どうしてその道がわかるでしょう」。
イエスは彼に言われた、「わたしは道であり、真理であり、命である。だれでもわたしによらないでは、父のみもとに行くことはできない。もしあなたがたがわたしを知っていたならば、わたしの父をも知ったであろう。しかし、今は父を知っており、またすでに父を見たのである」。
わたしの父の家
「わたしの父」とは、神のことではないでしょうか。神の家に場所を用意しに行く。用意ができたら、またきて、あなたがたを迎える。そうイエスは語っています。神を信じ、わたしを信じなさいとは、このことを真実として受け止めなさいということでしょうか。
わたしは道である
弟子たちはイエスの言葉を理解できなかったようです。しかし、「わたしが道」だと記されています。イエスの教えを受け止め、それに従うこと。人間中心、自己中心を退け、神の前に正しく生きるなら、すでに神を知ったということを教えているのではないでしょうか。
いかがでしたか
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目次
第一章 学園の日常
第二章 イエスの教え
第三章 神と共に生きる
第四章 私が得たもの
第五章 古代ユダヤ人によって日本にもたらされた信仰
第六章 日本人の幸せ
第七章 日本の危機
第八章 求められているもの
第九章 信じるということ
第十章 宗教ではない
第十一章 日本人の宗教観
第十二章 現実逃避なのか
第十三章 神と共に生きる
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