欧米の文化と日本の文化
よく欧米は罪の文化で日本は恥の文化だということが言われます。神様の前にそれが正しいかどうかというのが欧米人の行動指針であり、対人関係において、人の迷惑にならないのか、恥ずかしいことではないのかというのが日本人の行動指針だというものだと思います。
どちらの傾向がより強いのか
確かにそのような傾向があると私も思います。ただ、欧米人も少しは対人関係を意識するでしょうし、日本人にも善悪という行動指針がない訳ではないと思います。ただ傾向として欧米人は対人関係よりも神との関係を意識し、日本人は神との関係より対人関係を意識するということだろうと思います。
その違いはどこから来るのか
欧米人と日本人のそのような違いについて、欧米人には神様を意識するキリスト教の影響があり、日本は島国で対人関係がより重要視されるからだと説明されることが多いように思います。しかし、本当にそうでしょうか。確かに西欧キリスト教にはそのような傾向があると思いますが、それはキリスト教が西欧文化に影響されたのであって、もともと聖書の教えではないと私は思います。
聖書は個人主義を教えている訳ではない
欧米人の「罪の文化」は個人主義的になる傾向がありますが、決して聖書は個人主義を教えていないと思います。むしろ、神様の前にどう生きるのかということは、対人関係の中で問われていることだと私は思います。
縦軸と横軸
ですから、神様の前にこれは正しいことだから、人からどう思われようと、また人の迷惑になろうと関係ないという態度は神様の前に正しくないと思います。それは聖書の教えでもイエスの教えでもないと思います。もちろん、人から誤解されても、神様の前にこれは譲れないということも時にはあると思います。それは神様との縦の関係、つまり善悪という基準と、人との横の関係、つまり他者への配慮、愛という基準のバランスの問題であり、その両方の座標軸が大切だと思います。
非常識と超常識の違い
私たちは常識に縛られる必要はありませんが、非常識ではいけないと思います。私はそれを超常識と呼びたいと思います。それは常識、良識を身に付けた人が到達できる世界だと思います。そして、私たちは人生経験を重ねる中で、そのバランス感覚を磨いて行くことが大切ではないでしょうか。それが人格の成熟ということではないかと私は思います。
恥の文化もまた聖書の教え
そのように考えて来ると、欧米の罪の文化が聖書の教えで、日本人の恥の文化は聖書の教えではないというのは大きな誤解であることがお分かりいただけると思います。人が見ていようと見ていまいと、神様の前に正しく生きる。そして、対人関係の中で、他者を配慮し、尊重して生きる。正しければ何をやっても良い訳ではありません。人の目にはどう映るのか。迷惑ではないのか。それもまた大事な基準だと思います。それが日本人の心であり、太古の昔から日本人が大切にして来た神様を中心とした生き方だと思います。
新約聖書 マタイの福音書 11章25~30節
そのとき、イエスはこう言われた。「天地の主であられる父よ。あなたをほめたたえます。これらのことを、賢い者や知恵のある者には隠して、幼子たちに現してくださいました。そうです、父よ。これがみこころにかなったことでした。
すべてのものが、わたしの父から、わたしに渡されています。それで、父のほかには、子を知る者がなく、子と、子が父を知らせようと心に定めた人のほかは、だれも父を知る者がありません。
すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。わたしは心優しく、へりくだっているから、あなたがたもわたしのくびきを負って、わたしから学びなさい。そうすればたましいに安らぎが来ます。わたしのくびきは追いやすく、わたしの荷は軽いからです。」
それは高尚な悟りや難しい学問ではない
自己中心を退けて、神様を中心にする。高尚な悟りや難しい学問ではなく、ここに全ての問題の解決と幸いな人生、そして人間の尊厳があることを思います。確かにそれは幼子でも分かることだと思います。
神様を中心にする
疲れた人、重荷を負っている人、問題を抱える人は、わたしのところに来なさいとイエスは招きました。そして、わたしから学びなさいとイエスは教えました。自己中心を退け、神様を中心にすること。そこに休みがあります。そうすればたましいに安らぎが来ます。それがイエスの教えたことだと思います。神様を中心にしましょう。
いかがでしたか
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