「日本人の控えめな温か味にふれると、僕は心を打たれる。」と語るのはドイツ人外科教授のエルンスト・クラースさん。加藤恭子編「私は日本のここが好き!外国人54人が語る」からご紹介いたします。
80歳を過ぎた医学博士との出会い
僕が話をした初めての日本人は、80歳を過ぎた医学博士だった。40そこそこだった僕は、まだ東西の統合がなされていない西ドイツ国内で開かれた、外科医が集まる学会に参加し、会議後の懇親パーティーでその方に出会った。「ここに座ってもよろしいでしょうか」。こちらを向いた老博士は、小さな目を見開くように「もちろんですとも」と答えられた。あまりにも自然なドイツ語だったので、僕は自分が英語で質問したことを一瞬忘れていた。
初めての日本訪問
しばらくして老博士から、僕たちドイツ人でも書けないような、詩のような文体の手紙が届いた。それには日本の学会への招待が書かれていて、もちろん喜んで応じたのだが、実現したのは3年後だった。見るもの聞くもの、めずらしく、料理だって見たこともない美しさだった。老博士は細々と日本のしきたりや、料亭にある画や陶器について教えてくれ、妻もとても興味を持った。
誰にでも丁寧だった老博士
その夜、僕はまったく寝られなかった。医学で名を成した老博士は、誰にでも、料亭で働く人々にまで丁寧だった。自分を語るときは控えめで、まるで穏やかな四季の出来事を伝えるように、淡々と話してくれた。
アインシュタインの言葉
僕は、アインシュタインが書いた日本訪問記を読んだことがあったが、アインシュタインが日本人から受けた感動を思い出した。つまり、「この国民は特有の繊細な感情を持ち、他人の気持ちを推し量る感情が西欧人より厚い」という点だ。あの老博士をはじめとする多くの日本人の、控えめな温か味にふれると、僕は心を打たれる。
娘の日本留学
僕は、娘に日本留学を勧めた。娘には、日本の人々の真摯な仕事ぶりを学ばせたかった。彼女も乗り気で、日本に行った。三カ月間、二つの医療施設で、ドイツ語も英語も話せない人々と一緒に、心を合わせて患者さんのために働くことができた。その人々はとても優しく、他人のために喜んで奉仕するそうだ。ごく普通の日本人を目の当たりに見て帰国し、医学部卒業後、今は米国の大学病院で医師として頑張っている。
同じ優しさ
その後何度も日本を訪問する機会を得て、沢山の日本の友人ができた。彼らにあの老博士と同じ優しさを感じるとき、日独の友情の絆は強いなあと思う。(本からの引用は以上です。)
聖書を読みましょう
それでは今日も聖書の続きを読みましょう。このような日本人の気質は聖書と関係があると思います。外国の宗教の教典としてではなく、日本人として聖書を読んでみてください。
新約聖書 ルカによる福音書 12章35~40節
腰に帯をしめ、あかりをともしていなさい。主人が婚宴から帰ってきて戸をたたくとき、すぐあけてあげようと待っている人のようにしていなさい。主人が帰ってきたとき、目を覚しているのを見られる僕たちは、さいわいである。
よく言っておく。主人が帯をしめて僕たちを食卓につかせ、進み寄って給仕をしてくれるであろう。主人が夜中ごろ、あるいは夜明けごろ帰ってきても、そうしているのを見られるなら、その人たちはさいわいである。
このことを、わきまえているがよい。家の主人は、盗賊がいつごろ来るかわかっているなら、自分の家に押し入らせはしないであろう。あなたがたも用意していなさい。思いがけない時に人の子が来るからである」。
主人を待つ僕の譬
いつも神を意識し、神の前に正しく生きることに心を留めなさいと弟子たちに話すイエスの言葉の続きです。イエスは一つの譬を語りました。主人の帰りを待つ僕。どんなに帰りが遅くなっても、布団に入って寝ていないで、起きていて、服も着替えないで、あかりもともして、帰って来たらすぐに戸を開けられるようにしている僕は幸いだと教えられています。驚くべきことに、そうしたら主人が僕のために給仕をしてくれると言っています。
盗賊の譬
そして、最後は盗賊に例えています。「人の子」とは旧約聖書の預言者たちが預言したメシアのことであり、イスラエルを回復する救い主のことですが、メシアは思いがけない時に来ると教えているようです。ここでは自分のことではないようなので、世の終わりに来るメシアのことでしょうか。いつ来てもいいように、常に神を意識し、神の前に正しく生きることを教えているのでしょう。
いかがでしたか
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目次
一章 世界から称賛される日本人の国民性
二章 日本人の宗教観
三章 古代日本にやって来たユダヤ系渡来人の影響
四章 日本人の信仰
五章 「人生の目的」
六章 「人間関係」
七章 「子供の教育」
八章 「恋愛・結婚」