「最終的に日本を選んだ理由はやはり日本、そして日本人が好きだからです。」と語るのは、日本在住18年、ハンガリー生まれでフランスに帰化したピーター・フランクルさん。加藤恭子編「私は日本のここが好き!外国人54人が語る」からご紹介いたします。
日本人の宗教のなさ
大きな理由の一つが、日本人の宗教のなさ、宗教に対する穏やかな態度です。僕の眼から見た宗教とは、個人的なものであれば心の拠り所になるなど、プラスに働くことも多いと思います。しかし、時には国や政治家がこれを利用します。また、時には非常に排他的な作用をします。自分と同じ宗教の人は仲間だが、そうではない人は皆敵だ、という感覚が強くなってしまうのです。
相手を尊重する日本人
様々な国を旅してきた僕がこれを感じなかったのは、自由国家では日本だけでした。日本人の宗教観は色々な面で良い影響をもたらしています。宗教に対する緩やかな態度は物事の考え方にも表われていて、他人にあまり迷惑をかけないという国民性となっています。自分の意思をそれほど表に出したり相手に押し付けることなく、相手を尊重するという姿勢は、日本を非常に住みやすい国にしてくれました。
プライバシーを侵害しない
他の国では自分と相手の違いに気づくと、相手の間違いを指摘し、説教したり、自分の考えややり方を押し付けようとします。一方日本人は同じような場面でも、話題を変えるなどして、相手のプライバシーを決して侵害しません。
協力して仕事を成し遂げる姿勢
僕が日本を気に入った理由がもう一つあります。それは、日本人が非常に仕事熱心であるという点です。もちろん西欧でも仕事熱心な人はいます。しかし日本が他の国と違うのは、協力して仕事を成し遂げようとする姿勢です。西欧では役割分担がはっきりしており、自分は自分の仕事だけやれば良いのです。そして自分の仕事が済めば、たとえ相手に仕事が残っていようがさっさと帰ってしまいます。しかし日本では仕事を通して一体感・連帯感を感じることが出来ます。
一体となって立ち向かう日本人
僕は中国でもテレビの収録をしたことがあるのですが、暇になったスタッフは、他を手伝うどころか将棋をしたり、携帯電話で大声で話していました。自分の与えられた仕事さえ済めばもう良い、という態度が強く感じられました。日本では皆が一体となって一つの事に立ち向かい、成功させていくことが出来ます。ですから僕は、日本がこの良い面を保ち続けることが出来れば、日本の未来は明るいと思います。(本からの引用は以上です。)
聖書を読みましょう
宗教は対立を助長してしまいますが、信仰は一致をもたらすと思います。イエス・キリストは宗教を教えたのではなく、信仰を教えたのだと思います。それは生き方の問題だと思います。それでは今日も聖書の続きを読みましょう。宗教の教典としてではなく、人としての生き方を考えるために聖書を読んでみてください。
新約聖書 ルカによる福音書 10章38~42節
一同が旅を続けているうちに、イエスがある村へはいられた。するとマルタという名の女がイエスを家に迎え入れた。この女にマリヤという妹がいたが、主の足もとにすわって、御言(みことば)に聞き入っていた。
ところが、マルタは接待のことで忙しくて心をとりみだし、イエスのところにきて言った、「主よ、妹がわたしだけに接待をさせているのを、なんともお思いになりませんか。わたしの手伝いをするように妹におっしゃってください」。
主は答えて言われた、「マルタよ、マルタよ、あなたは多くのことに心を配って思いわずらっている。しかし、無くてならぬものは多くはない。いや、一つだけである。マリヤはその良い方を選んだのだ。そしてそれは、彼女から取り去ってはならないものである」。
心をとりみだす
問題は心をとりみだしていたということでしょう。自己中心になっていたのだと思います。接待に忙しくすること自体が問題ではないと思います。それは良い事だと思います。しかしマルタは、これは神から自分に与えられた仕事だ、これを喜んで神のため、人のためにやろうということではなかったのでしょう。その時、人はイエス・キリストまで持ち出して、自分の行為を正当化し、人を非難しようとするところがあるのではないでしょうか。確かに宗教はそのように利用されることがあると思います。
無くてならぬもの
あれもこれもと心を騒がせるのではなく、神の願い、思いに心を定めること、それ一つだけだと教えているのではないでしょうか。そうやって接待に心を注ぐことも良いことだと思いますし、イエス・キリストの言葉に聞き入ることも良いのではないでしょうか。人はそれぞれ神の願いを中心にして、そのことに喜びをもって取り組むこと。それが幸いな人生ではないでしょうか。
いかがでしたか
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目次
一章 世界から称賛される日本人の国民性
二章 日本人の宗教観
三章 古代日本にやって来たユダヤ系渡来人の影響
四章 日本人の信仰
五章 「人生の目的」
六章 「人間関係」
七章 「子供の教育」
八章 「恋愛・結婚」